精神科病棟に入院している。
私が入院している病院の精神科病棟はそれすなわち閉鎖病棟であり、病棟内は自由に歩き回れるが売店など一歩外に(それも院内に限られるが)出るためには都度看護師の許可を得なければならない。
他にも制約はある。カミソリなど刃物は持ち込めない。鋭利なものもダメ。40cm以上の紐状のものも持ち込めない。紐靴もダメ。携帯の充電器だけが唯一の例外で、入院時にグルグル巻きにされて看護師さんが結束バンドで縛る。ここでは自殺・他殺・自傷・他傷に繋がるあらゆるものが排除される。
ある意味安全なのだが、退院する頃には眉毛が完全に繋がっていそうである。電池式の電動シェーバーは安全とのことで持ち込みが許可されているけど、数ヶ月の入院のために購入するのは躊躇われて買っていない。
運動不足解消のため、病棟内を患者たちがグルグルと回遊魚のように歩いている。私も歩かねばと思いつつズルズルと本や漫画に逃げる日々だ。
精神科病棟の外に出れば院内に食堂、ラウンジ、図書館、売店、本屋などがあり、院内散歩は1日1回1時間だけ許可される。
朝10時にはラジオ体操の時間があり、希望者は参加する。第一だけでなく第二もやるのがポイントだ。今日はその後もDVDを見ながら結構しっかりとした体操をやった。
風呂は週3回。30分間、割り当てられた時間の中でシャワーを浴びる。湯船もあるが、お湯を貯めて浸かるだけの時間があるかはまだ試したことがないので不明。
雰囲気が悪いかと言うとそんなことはなく、優しいスタッフの方々に支えられ、穏やかに時間を過ごすことができる。今回、自分自身かなり混乱した状態(布団から起き上がれず、何か話すたびにわんわん泣き、母曰く心神喪失状態だったらしい)になったため(入院を待機している間に幸いなことにその状態は脱した)、他の患者さんたちも精神的にだいぶやられていて阿鼻叫喚地獄だったらどうしようと思っていたが、非常に静かで平和である。もちろん皆何かしら抱えているのだろうが取り乱す人はいない。
個室に入っている人もいるが、私は四人一部屋の大部屋に入っている。
治療は四六時中行われるわけではないため、問診など以外の残った時間をどう使うかという話になるが、今日はKindle内の積ん読解消が捗った。
本日読み終わった本は以下の通り。
『猥談ひとり旅』カレー沢薫
『やらない理由』カレー沢薫
『どうせカラダが目当てでしょ』王谷晶
どれも読みかけで中途半端に放置していた本である。中でもカレー沢薫先生のエッセイはゆるくて可笑しくて、笑いをこらえるのに必死だった。
活字を読むのが苦手な私だが、どうせ治療には時間がかかり入院生活もそれなりに長くなるのだ。できるだけ多くの漫画や本に触れられればと思う。