10:44 AM

日々

2017年度に向けて

ついに2017年度が始まる。私は双極性障害Ⅱ型という精神疾患で長いこと休職しているのですが、今年は復職がかかっている年。いよいよ退職までのタイムリミットが迫ってきてます。

新年の抱負をすでに忘れている(「体調管理」とかだったような…超漠然)ので、最近カウンセリングを受けて得た「体調改善のtips」も色々含めてまとめ。

休職中のあなたもそうでない方も!

仕事をしている方もそうでない方も体調管理のご参考まで!(ズキュン)

 

我ながらなんだか温度高いなあ。でも、いいと思ったこと、他の方の参考になるんじゃないかと思ったことはシェアしたいものね。

ではどうぞ、どん!

 

①リズミカルなことをすること

毎日散歩するなど。会社員なら日々の通勤かな?日々のリズムづくりに努める。

 

②心地好いことだけをすること

例えば、歩くのと走るのと自転車に乗るのとどれが好きか?を考え、心地好い形で運動を続ける。「休職のこの時間がもったいないから勉強しまくろう」などと考え、「今の自分にとって」キツく思えるようなレベルの勉強をしない。今はまだ週に2〜3日寝込む日々が続いているため、とりあえず体調が安定するまでは無理のない形を維持。アクセルを踏むのは後でいい。(詳しくは後述)

多分、これは復職してまた会社員生活を送るときにも大事。仕事をしていると、四方八方からトラブルや「嫌なこと」がひっきりなしに襲って来るようなところがあるしそれはしょうがないことだけど、定時後や休日は自分を追い込むようなことはせずにストレス発散(MP回復)と疲労回復(HP回復)に努める。

(余談だけど、最近の10代の子たちにHPとかMPとか通じるんだろうか。スマホゲームにもそういう概念があるのかな。最近の子たちはスマホゲームしかやっていないから、「ゲームボタンをリセットしてやり直す」感覚が通じないのだという話を聞いて、ショックを受けた。それはそれで健全なことかもしれないけど。)

 

③自分のパターンをつかむこと
例えば、「今の」私の場合、遠出をするとか、勉強で自分を追い込んで課題に追われる日々を過ごすとかすると、その後にひどい不調の波が来る。近場だけで動くと翌日に疲れを持ち越さず、続けて動ける確率が上がるので行動範囲を狭めて活動量は維持する(もしくは少しずつ増やす)方向に。
元気だった時は旅行も大好きだったし、資格試験のための勉強もしてたけど、今は少しお休み。「今の」自分の把握。

他の例としては、自分は「ただ何の目的もなく散歩する」のが苦手。目的があってこそ動ける。だから日々の些細な買い物でもいいから適当に目的を作って、自分のやりやすい形で運動量確保。近所のカフェや図書館で読書をするために歩く、とかでもいい。

あとは、だいたい火曜日あたりに動けなくなるんだよな。最近は動けなくても罪悪感を持つことが薄くなった。これはいつものパターン…とりあえず休もう…みたいな感じで気楽でいる。結果、身体はしんどいけど精神的には楽になっている。前は罪悪感でガッチガチだった。これは改善と認めていいのかな。

 

④アクセルを踏みたくなる時期の見極め

当たり前だけど、仕事をすると精神的にも体力的にも負荷がかかってくるので、今のままのスローペースで心地好いことだけをしていても復職できない。でも、「今のあなただと、アクセルを踏んでもNやPの状態でエンジンふかしちゃうのと同じ。そのうち自然とアクセルを踏みたくなるのを待てばいい。ただし、『アクセルを踏みたくなった』時の感情を見逃さないこと。」とのことなので素直に従いたい。

 

プロの知見を得られるのは恵まれていることだと思うけど、とても勉強になるので、みなさんにもシェア。なんとか復職できたらいいなあ。えいやあ!という勢いからでもいいから復職して、また毎日仕事に行けるようになりたい。体調の改善はなかなか見られないけど、精神的には楽になってきている気がします。それが体の方面にも影響していきますように。

みなさんの健康もお祈りして。2017年度をなるべく心地好い形で過ごしていきましょー!では!

世界の広げ方に関するパラダイムシフト

学生時代、私は旅行をほとんどしなかった。旅行をする人に対する憧れはあったが、お金も気力もなかった。自分で自分を抑圧していたようなところがある。

 

その反動で、社会人になってからはガンガン旅行に行った。長期休暇があれば旅行。家族や会社の同期などを誘って、旅行を計画する(言い出しっぺでもないのに、旅行会社を探して連絡をとってモロッコ一周を手配したのは何故だろう…)。仕事でめちゃくちゃストレスが溜まっていたのもある。とにかく日常から遠いところに身を置きたかった。

 

最近は休職中で仕事のストレスがないこともあってか、物理的に移動して自分の世界を広げていきたいという欲求がない。むしろ本や映画で世界を広げていきたい。人生における大きな変化だ 。

本屋や映画館が身近にたくさんあって恵まれているのもあるけど、そんなに大きくない行動範囲で色々済ませることができている。本だったらいざとなればamazonがあるしね。できるだけ書店に行って、自分の目で書籍を見て買うようにはしているのですが。置いてなかったら取り寄せている。

体調を崩して休職している私にとっては、このパラダイムシフトは大きい。物理的に大きな移動をすると、反動で動けない日が続くからだ。今はまだ寝込む日が週に2〜3日あるけど、カウンセリングの成果もあってか、落ち込みの幅が少ないし、寝ていることに対し罪悪感が薄くなった。自分の病気にほとほと飽きてきて、いい意味での諦観を持てていることもあるかな。

 

しかし、読書はいいとしても、ちょっとハイペースで映画を見過ぎている。そして演劇にまで興味を持ちだしている。少し軽躁気味かなあ。怖いなあ。

調子にのってはだめ。アクセル踏みすぎていたらそれを自覚すること。そしてブレーキをかけること。その反動が必ず来るから。一生抱え続ける、私の課題。

いかなごの季節になりました

近所のスーパーでいかなごという小魚を売り出していた。解禁したらしい。

私の住んでいる関西では、春に家庭でいかなごの釘煮を作る風習がある。甘辛く煮付けた佃煮の一種。春の風物詩である。

家で作らなくても、スーパーや魚屋さんで釘煮を買うことができる。なんなら大阪国際空港(伊丹空港)でも。春を味わいたくて、私も少し買う。

 

ああ、本格的に春が来てしまったなあ。どんな服を着よう。どこに出かけよう。春野菜などを料理して、少しでも家に春を持ち込みたいと思っている。

演劇が観たい

大阪アジアン映画祭で映画を数本見たわけだけど、思わぬ副作用(副効用?)があった。"映画館としても使える"劇場がいくつか会場になっていて、大阪には劇場があることを知ってしまったのである…。今更かよって感じですが。

 

そこでビラを見ていたら、学生時代の思い出がむくむく湧き上がってきた。高校時代、演劇部の友人の舞台を観に行ったこと(彼女は大道具担当で、力仕事にも慣れていた)。大学時代、演劇サークルの後輩の舞台を観に行ったこと。どちらも大きな衝撃を受けた。心を全部持っていかれてしまう感じ。

故郷新潟にも劇場はあるし、高校の同級生は舞台を観に行っていたりした。東京で通っていた大学のすぐ近くにも劇場があり、それは知っていたが、全く興味がなかった。学生時代はとにかくお金がなかったし、サークルの練習と勉強、そしてその後のひどい鬱に耐えるので精一杯だった。

 

ミュージカルや宝塚は何回か観に行ったことがあるけど、それ以外のプロによる演劇は観に行ったことがない。それが大阪アジアン映画祭で劇場に行ったことで、少し興味が出てきた。ミュージカルなどは大劇場でのものしか観たことがないので、できれば小さな劇場で、舞台と観客との距離が近いものが観たい。

 

と言うわけで、ぴあやイープラスというチケットサイトをのらいぬのように見てます。高いものも安いものもある。東京でしかやらない舞台も多いのだなあ。でも第2の都市でやるとしたらだいたい大阪になっていて、恵まれているな、ありがたいなと思う。とはいえハマったら抜け出せない深い沼が待ち受けているような気がしなくもない。

 

学生時代は興味もお金もなく観られなかったものが、社会人になって興味を持ち、少しではあるが観られるようになっている。良きかな良きかな。将来に対して不安しかなかった学生時代の私の肩をぽんと叩いて、何も言わずにただにやりとしたい気分である。にやり。

ちょっとしたエール

今日は母校の合格発表の日だったらしい。

このブログを読まれている方には受験で第一志望に受からなかった方も当然いるだろうし、大学受験を経験していない人もいると思う(大学を受験できるのは、恵まれていることでもある)。

でもこれから言いたいことは自慢話ではない(と少なくとも自分では思っている)ので書きます。

 

合格発表の日、父と弟と新幹線で東京に出て、大学まで見に行ったのを覚えている。(父は仕事ついで、弟は便乗で東京観光)

合格できているか不安で、とても気分が悪かった。自分の受験番号を見つけてもウェーイとは喜べなくて、何だか狐につままれたようでぼんやりとしていた。

父がお祝いにと後楽園のババ・シュリンプというシーフードのお店で食べさせてくれたのを覚えている。

 

大学に入学したての頃は、どんな勉強をしてきたとか、同期と受験の思い出話をした。

 

そして10年が経った今日になって、電話で両親と合格発表の時の思い出話をした。

 

受験のことを今でも色々思い出すのって面白いなあと思う。

 

もちろん、入学後後の体験(学業、サークル、部活、なんでも)や社会人になってからの経験の方がずっと大事なことだって、みんなわかっている。

 

 

それでも、何というか、過去の体験(成功も失敗も)を時を経て思い出すのは面白い。思い出のリサイクル。それが「勉強した」という事実であっても、「中学や高校の同期と部活動の思い出を話す」のと同じことだと思う。試合で勝ったことでも、負けて悔しい思いをしたことでも。なんだか勉強の話だと色をつけて見られがちだなあ。

 

私は高校時代、ある程度勉強に時間を費やした。それは受験を経験した人のほとんどがそうだと思う。

生徒会活動はやっていたけど、意外にも負荷が低く、他の部活に入ることも考えたが、致命的なほどに運動音痴であることと、何にも興味が持てなかった(これはとても苦しかった)のもあった。でも、放課後に先生方に質問をしに行って、色々なことを教えてもらったり、学問に関する話(たまに無駄話)をしてもらうのはとても楽しかった。

 

高校時代に部活をやっていなかったことを激しく後悔したことは数知れない。

 

でも、今勉強を頑張っている人に言いたい。それは部活を頑張ることと同じぐらい、尊い経験だと。大学を受ける受けないに関わらず。志望校に受かる受からないに関わらず。そしてそれに対し罪悪感を抱いていた高校時代の私にも、激しく後悔している社会人になってからの自分にも言いたい。

 

 

頑張れ、高校生。

大学を受験する予定のある人もない人も。

勉強することに対し罪悪感を持つことはないよ。そこにはきっと、面白い世界が広がっている。

 

なんだか恥ずかしいから後でこの記事消すかも(笑)うーん、一期一会の文章ということで、お願いします。

韓国映画「ロボット・ソリ」

大阪アジアン映画祭で観てきました。(英題:SORI : VOICE FROM THE HEART)

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通信傍受衛星が宇宙から落ちてきた。彼女は全ての通信を傍受し、記憶している。10年前に行方不明になった娘をもつ男ヘグァンはその第一発見者となり、衛星の力を借り、彼女(ソリと名付ける)とともに娘を探そうとする。しかしNSAアメリカ国家安全保障局)とKARI(韓国航空宇宙研究院)はロボットを回収しようとしており、ヘグァンとソリは追われる身となる。

と言うわけで、SF的設定と親子愛が絡み合う、笑えて泣けてほっこりするお話。ヘグァンとソリのやりとりがとても可笑しく、楽しい。行方不明になった娘を探す父親の悲しみは深いものだが、劇中の台詞の掛け合いの楽しさが映画を明るくさせている。私も何度も笑った。

そしてやはりというか、予測できていたことだけど、行方不明の娘をもつ父親としての悲しみが全面的に押し出されるシーンには泣いてしまった。しかしこの映画は悲しみを映すばかりではない。行方不明になった娘が繋いでいく人との縁。みんなが彼女を愛していたこと。そして夫婦の絆。

切なく心温まる映画だった。この映画と出会えて良かったと思う。

 

英語版ですが、予告編があるのでどうぞ。

https://youtu.be/dmD--1rCI4g

台湾映画「52Hz, I love you」

大阪アジアン映画祭で、台湾映画「52hz, I love you」を観てきました。 

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https://zh.m.wikipedia.org/wiki/52_Hz_I_Love_You

 

運命の人が現れるのを待ち焦がれる花屋の女性、好きな人に想いを伝えられずにいるパティシエの男性、生活能力のないギタリストの青年と、彼との同棲生活に疲れ切っている彼女の話を中心に、物語は進んでいきます。みんなに訪れる、バレンタインの奇跡。

 

多幸感に溢れるミュージカル映画。普通の台詞より歌の方が多いんじゃないかな。ずっと楽しい音楽が流れ続けます。楽しい!

役者さんはみんな驚くほどの美声で、伸びやかで響きがあって表現豊かで、美声に美声が重なってハモる時はもはや至福。掛け合いも楽しい。耳の至福、そして美しく色鮮やかでハッピーな映像からくる目の至福。

 

私は映画の始まりから最後までずっと泣いていました。いや、決して泣くような映画じゃないんですけど。

まずは冒頭で台北101が映し出されたシーンから。何度も訪れた台北を思い出して。そんなの泣くところじゃないだろうみたいなところでぼろぼろ泣いていました。懐かしい。とにかく懐かしい。MRT(電車)のドアが開閉する時に鳴る音を聞くだけで台湾に行った時の思い出が蘇り、たくさんの人に親切にしてもらった思い出とか、友人とMRTに乗ったなあとか、美しい景色、濃い緑、熱帯の空気とかがヴアーと一気に襲ってきて、泣いてしまいました。

そして多幸感溢れる音楽の数々。これにやられて泣きました。日本と共通の悩みを抱えながら、なんとか生きていく主人公たち。でもそれはどこか楽天的な雰囲気で描かれます。

 

私が行ったのは幸運なことにゲスト登壇がある回にあたり、なんと魏德聖監督がいらしていました。

インタビューの後サイン会があったのですが、映画の興奮と感動、目の前にこんなすごい映画を作った監督がいるという状況に足ががくがく震えて止まりませんでした。人間って圧倒された時にこんなになるんですね。サイン会時、監督に「いっぱい泣きました、本当に感動しました」と中国語で言ったのですが、なんとか伝わったみたいで嬉しかったです。監督に「どこで泣いたの?」と聞かれ、「台北101が映った時点からずっと」と言うと、「何故?」と笑って聞かれました。「台湾が好きだから」、と答えましたが全然答えになっていません。わかってます。でもそうとしか言いようがなかったのです。私の大好きな台湾が溢れている。街の景色。市井の人たちの暮らし。やっぱり温かい人たち。それを思い出すだけで、泣けてくるのです。

 

魏德聖監督は超有名な方で、海角7號などを撮られた方。恥ずかしながら未見。もう、観るしかありません。

もしこの作品があなたの街で上映されることがあったら、ぜひ観に行ってみてください。あまりの多幸感に、確実に心を持っていかれることと思います。