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日々

台湾映画「52Hz, I love you」

大阪アジアン映画祭で、台湾映画「52hz, I love you」を観てきました。 

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https://zh.m.wikipedia.org/wiki/52_Hz_I_Love_You

 

運命の人が現れるのを待ち焦がれる花屋の女性、好きな人に想いを伝えられずにいるパティシエの男性、生活能力のないギタリストの青年と、彼との同棲生活に疲れ切っている彼女の話を中心に、物語は進んでいきます。みんなに訪れる、バレンタインの奇跡。

 

多幸感に溢れるミュージカル映画。普通の台詞より歌の方が多いんじゃないかな。ずっと楽しい音楽が流れ続けます。楽しい!

役者さんはみんな驚くほどの美声で、伸びやかで響きがあって表現豊かで、美声に美声が重なってハモる時はもはや至福。掛け合いも楽しい。耳の至福、そして美しく色鮮やかでハッピーな映像からくる目の至福。

 

私は映画の始まりから最後までずっと泣いていました。いや、決して泣くような映画じゃないんですけど。

まずは冒頭で台北101が映し出されたシーンから。何度も訪れた台北を思い出して。そんなの泣くところじゃないだろうみたいなところでぼろぼろ泣いていました。懐かしい。とにかく懐かしい。MRT(電車)のドアが開閉する時に鳴る音を聞くだけで台湾に行った時の思い出が蘇り、たくさんの人に親切にしてもらった思い出とか、友人とMRTに乗ったなあとか、美しい景色、濃い緑、熱帯の空気とかがヴアーと一気に襲ってきて、泣いてしまいました。

そして多幸感溢れる音楽の数々。これにやられて泣きました。日本と共通の悩みを抱えながら、なんとか生きていく主人公たち。でもそれはどこか楽天的な雰囲気で描かれます。

 

私が行ったのは幸運なことにゲスト登壇がある回にあたり、なんと魏德聖監督がいらしていました。

インタビューの後サイン会があったのですが、映画の興奮と感動、目の前にこんなすごい映画を作った監督がいるという状況に足ががくがく震えて止まりませんでした。人間って圧倒された時にこんなになるんですね。サイン会時、監督に「いっぱい泣きました、本当に感動しました」と中国語で言ったのですが、なんとか伝わったみたいで嬉しかったです。監督に「どこで泣いたの?」と聞かれ、「台北101が映った時点からずっと」と言うと、「何故?」と笑って聞かれました。「台湾が好きだから」、と答えましたが全然答えになっていません。わかってます。でもそうとしか言いようがなかったのです。私の大好きな台湾が溢れている。街の景色。市井の人たちの暮らし。やっぱり温かい人たち。それを思い出すだけで、泣けてくるのです。

 

魏德聖監督は超有名な方で、海角7號などを撮られた方。恥ずかしながら未見。もう、観るしかありません。

もしこの作品があなたの街で上映されることがあったら、ぜひ観に行ってみてください。あまりの多幸感に、確実に心を持っていかれることと思います。