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日々

韓国映画「ロボット・ソリ」

大阪アジアン映画祭で観てきました。(英題:SORI : VOICE FROM THE HEART)

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通信傍受衛星が宇宙から落ちてきた。彼女は全ての通信を傍受し、記憶している。10年前に行方不明になった娘をもつ男ヘグァンはその第一発見者となり、衛星の力を借り、彼女(ソリと名付ける)とともに娘を探そうとする。しかしNSAアメリカ国家安全保障局)とKARI(韓国航空宇宙研究院)はロボットを回収しようとしており、ヘグァンとソリは追われる身となる。

と言うわけで、SF的設定と親子愛が絡み合う、笑えて泣けてほっこりするお話。ヘグァンとソリのやりとりがとても可笑しく、楽しい。行方不明になった娘を探す父親の悲しみは深いものだが、劇中の台詞の掛け合いの楽しさが映画を明るくさせている。私も何度も笑った。

そしてやはりというか、予測できていたことだけど、行方不明の娘をもつ父親としての悲しみが全面的に押し出されるシーンには泣いてしまった。しかしこの映画は悲しみを映すばかりではない。行方不明になった娘が繋いでいく人との縁。みんなが彼女を愛していたこと。そして夫婦の絆。

切なく心温まる映画だった。この映画と出会えて良かったと思う。

 

英語版ですが、予告編があるのでどうぞ。

https://youtu.be/dmD--1rCI4g

台湾映画「52Hz, I love you」

大阪アジアン映画祭で、台湾映画「52hz, I love you」を観てきました。 

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https://zh.m.wikipedia.org/wiki/52_Hz_I_Love_You

 

運命の人が現れるのを待ち焦がれる花屋の女性、好きな人に想いを伝えられずにいるパティシエの男性、生活能力のないギタリストの青年と、彼との同棲生活に疲れ切っている彼女の話を中心に、物語は進んでいきます。みんなに訪れる、バレンタインの奇跡。

 

多幸感に溢れるミュージカル映画。普通の台詞より歌の方が多いんじゃないかな。ずっと楽しい音楽が流れ続けます。楽しい!

役者さんはみんな驚くほどの美声で、伸びやかで響きがあって表現豊かで、美声に美声が重なってハモる時はもはや至福。掛け合いも楽しい。耳の至福、そして美しく色鮮やかでハッピーな映像からくる目の至福。

 

私は映画の始まりから最後までずっと泣いていました。いや、決して泣くような映画じゃないんですけど。

まずは冒頭で台北101が映し出されたシーンから。何度も訪れた台北を思い出して。そんなの泣くところじゃないだろうみたいなところでぼろぼろ泣いていました。懐かしい。とにかく懐かしい。MRT(電車)のドアが開閉する時に鳴る音を聞くだけで台湾に行った時の思い出が蘇り、たくさんの人に親切にしてもらった思い出とか、友人とMRTに乗ったなあとか、美しい景色、濃い緑、熱帯の空気とかがヴアーと一気に襲ってきて、泣いてしまいました。

そして多幸感溢れる音楽の数々。これにやられて泣きました。日本と共通の悩みを抱えながら、なんとか生きていく主人公たち。でもそれはどこか楽天的な雰囲気で描かれます。

 

私が行ったのは幸運なことにゲスト登壇がある回にあたり、なんと魏德聖監督がいらしていました。

インタビューの後サイン会があったのですが、映画の興奮と感動、目の前にこんなすごい映画を作った監督がいるという状況に足ががくがく震えて止まりませんでした。人間って圧倒された時にこんなになるんですね。サイン会時、監督に「いっぱい泣きました、本当に感動しました」と中国語で言ったのですが、なんとか伝わったみたいで嬉しかったです。監督に「どこで泣いたの?」と聞かれ、「台北101が映った時点からずっと」と言うと、「何故?」と笑って聞かれました。「台湾が好きだから」、と答えましたが全然答えになっていません。わかってます。でもそうとしか言いようがなかったのです。私の大好きな台湾が溢れている。街の景色。市井の人たちの暮らし。やっぱり温かい人たち。それを思い出すだけで、泣けてくるのです。

 

魏德聖監督は超有名な方で、海角7號などを撮られた方。恥ずかしながら未見。もう、観るしかありません。

もしこの作品があなたの街で上映されることがあったら、ぜひ観に行ってみてください。あまりの多幸感に、確実に心を持っていかれることと思います。

春の訪れ

春がずんずんやってくる。

冬が終わるのが惜しいが、新しい季節は明るい気持ちで迎えたい。楽しい時間をできるだけ増やしたいもの。

桜を見ながらみんなで楽しく日本酒が飲みたい。肉汁たっぷりの焼いたあさりも食べたい。

 

さて、今年はどこに桜を見に行こう。

湿度も温度も高くて色気があって懐かしいもの

自分はたまに、湿度も温度も高めで、色気があって、懐かしい匂いのするものに倒れこみたくなることがある。

少女の正邪入り混じる女性性がストレートに伝わってくる絵とか、真夏の夜に読みたい漫画とか、ひたすらあったかい文章とか。特に眠れない夜。もうずっと昔から。

 

好みの文章に関しては以前もご紹介したこのブログを何度も何度も読み返している。

温かくて楽しくて泣きそうになる文章。

http://fukapillow.blog3.fc2.com

「誰かにとっての故郷を作りたい」と言った話がどこかの記事にあり、泣いた。

この方は以前「神聖少女帝国」というサイトを運営されていて、色気のある少女のイラストをたくさんアップされていた。柔らかい線に色っぽい彩色。引きこまれずにはいられず、何度も訪れた。今はもうなくなっているのが残念だけど。

 

漫画だと、真っ先に思い浮かぶのが戸田誠二のもの。特に初期の、ショートショートの作品は熱帯夜に読みたい。駆け出しの頃の熱量。そんな温度感がある。

あとは九条キヨZONE-00。下ネタが多いのだが、作中の季節はいつも夏で、登場人物たちの露出度も高めで、その肌艶の色っぽさにやられ、会話などから夏特有の温度の高さ、人々のテンションが伝わってきて、読者は蒸し暑い夏の匂いに包まれてしまう。

 

小説であれば、森奈津子の「西城秀樹のおかげです。」という短編集。エロと笑いとSFと。R-18、さらにほとんど百合なので注意。でも笑えるんです。エロと笑いの稀有な組み合わせ。

 

 

最近、そう言った湿度も温度も高い小説や漫画やブログに久しく出会えていない。インターネットの黎明期には、そのようなサイトも多かったような気がするのだが、自分のサーチ不足だろうか。でも、「湿度も温度も高い 色気 懐かしい 作品」とかでGoogle検索しても何も出てこないだろうなあ。なんかもう、倒れこみたくなるもの。包まれたくなるもの。そんなものに触れたい。

 

以前のヴィレッジヴァンガードには、そういったものの匂いがあった。戸田誠二森奈津子もそこで出会った。でもエロ本を扱わなくなってからその匂いは薄れたなあ。寂しいなあ。

 

どうか、そのような作品をご存知でしたら、ご紹介いただけないでしょうか。眠れぬ夜に倒れこめる先が、あまりにも少ないのです。

多幸感

先日、ベルギービールの店に行った。目当ての店が満席で、どこか入れるところがないかと近辺をうろついていたらその店はあった。店員さんが表へ出てきて「今ならご案内できますが、当店はビールしか置いていないですがよろしいですか」と聞いてきた(ソフトドリンクはある)。その潔さ、ストイックさに惹かれ入ってみることにした。

私は苦味の全くない白くてフルーティーなビールを、夫は少し強めのパンチのあるものを頼む。豚バラ肉のスモークや本日のガーリックオイル煮などを頼むがどれも美味しい。ビールとの組み合わせが素晴らしいもののオンパレード。〆のパスタも良かった。

中でも、フリテンというベルギーのフライドポテトが殺人的に美味しかった。温度を変えて二度揚げしたポテトにマヨネーズソースをかけて食べる。カロリーの高さに対する罪悪感がたまらない。

 

美味しい料理とお酒を楽しんでいる時、私は多幸感に包まれる時がある。ただ、いつそれがやってくるのかはわからない。

「生まれてきて良かった!」「人生万歳!」とか言ってしまう。日本酒に和食なら「日本人に生まれて良かった!」とか言う。にこにこ。ちょっと変な客であるような気もするが気にしない。

たいていそれは夫とお酒を飲んでいる時にやってくるのだが、いつもではないので、どういう条件が揃えばそうなるのかはわからない。

ただ、学生時代にはそんな多幸感を味わったことなんてなかったので、こんなことがあるなんて!と驚いている。大人になるのもいいものだなと思う。

月曜日のチャイ

月曜日の朝、チャイを淹れた。インド料理屋さんのあの美味しいチャイができなくていつももやもやするんだけど、今回は少し近づけたかもしれない。お茶の煮出し具合、牛乳の量、牛乳を入れてからの加熱具合、スパイスの量で決まると思うんだけどな。ちなみに今回はシナモンとカルダモンとジンジャーを入れた。ばっちり。カルダモンを多めにするとそれっぽくなることを学んだ。

 

チャイ、紅茶、コーヒー。朝に温かい飲み物を飲むと、それだけでその日が良い日であるような気がしてくる。

TED

英語のリスニング能力向上&語彙力強化のためよく夫と一緒にTEDを見ています。ちなみにTEDはアメリカその他で行われているプレゼンテーションの祭典のことです。新しい知見をシェアする場です。
その動画の多くが、ネットで無料で見られます。

 

やり方としては

・英語字幕ありのもの
→字幕見つつ一度通して見て、2回目は細切れに止めつつ(だいたい字幕一行ずつ)見て発音と文字のリンクやわからない文法&単語の意味をチェックする

・日本語字幕つきのしかないもの
→一度目は字幕を見つつ通して見て、2回目はネットに上がっている英語のスクリプト(原稿)を読みながら聞く。スクリプトから自分たちが汲み取れる意味と、プロの翻訳家が訳した字幕を比べながら読解力をチェック。わからない文法&単語をチェック。

という感じで進めています。夫婦でiPhone2台持っているのと、iPhoneをテレビに繋げるケーブルを持っているからこそ可能になる勉強法ではあるのですが。

毎回2周聞くことになるので、だいたい10分以下のプレゼンを選んで見ています。15分とか20分のプレゼンも多いのですがそれだと夫婦共々死にます。

 

そんなこんなで、私達が見つけたTEDの中でも笑えるものをご紹介します。だいたい10分以下です。

www.ted.com

 

 

イラン系アメリカ人あるあるネタ。中東に対する風当たりが厳しくなっている今こそ、見るべき動画かもしれません。

 

 

 

 

www.ted.com

 

 

これまでのTEDのプレゼンを統計にかけて、「面白い」プレゼンをリバース・エンジニアすることはできるか?

 

 

 

www.ted.com

 

 

私が一番好きなプレゼンです。巨大素数に関する話。話の面白さもさることながら、こんな世界が広がっているのか!とわくわくします。

 

本当に英語力向上に繋がっているかはわからないのですが、何より新しい知見に触れられるのと、楽しく簡潔で明快な質の良いプレゼンテーションに触れられるのは結構楽しい体験です。

もう少し続けてみたいと思います。