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日々

コラム法で思考を整理してみよう(認知行動療法を受けてみて)

入院して2週間が経った。問診と検討会の末ASDの診断が下ってからは、ドラッグフリーに向けて減薬すると同時に、週1〜2回のペースで先生の治療を受けている。1回につきだいたい30分〜1時間ぐらい時間を取ってもらっている。

今日認知行動療法の3回目を受け、コラム法と呼ばれるメソッドの学びがひと段落したので、やり方と治療を受けてみての感想を書きたい。ASDやうつの人に限らず全ての人が使える方法だと思うので参考にしてみてほしい。


1.コラム法のやり方

3段階や5段階など色々あるようだが、7段階のものを今回は採用。ひとつの事例を挙げ、①〜⑦まで表を埋める形で進めていく。


①状況(いつのことか、どこにいたか、誰と一緒にいたか、何をしていたか)

例:GWのある日、離乳食をあげる時間(10時半〜11時ごろ)に自宅で娘に離乳食をあげようと準備するが全く食べてくれない。夫が見ている。

(なお、この後号泣し離乳食とその後のミルクを夫に投げた。情け無い。夫よごめん)


②気分(一言で表して0〜100で点数をつけ、強い順に番号を振る)

悲しい(80…一番強い)、戸惑い、自分に対する怒り(70…2番目)、心配(40…3番目)

※辛い は抽象的なので悲しいとか怒りとかの方がいいそうです


③自動思考(その時に頭に浮かんでいたこと、イメージや記憶を書き出し、認知の偏りのどの型に当てはまるか考える。型については「べき思考に捉われて(認知行動療法やるぞ)」

https://elaineintherain.hatenablog.jp/entry/2022/06/23/192322 参照)

・何故食べてくれないのか(理由がわからない)→正常な思考

・切り方、素材、味付けなど私の作り方が悪かったのでは→自己関連づけ(自分を責めすぎ)

・私の離乳食の進め方が悪かったのでは→自己関連づけ、「○ヶ月の赤ちゃんはこれぐらい食べるべき」という一般化のしすぎ

・離乳食で栄養を摂らないといけないのにこの子は大丈夫なのか?という心配→一般化のしすぎ(一回食べなかったぐらいで栄養不足にはならない)


④根拠(客観的に「そう考える根拠は何か」考える。自動思考を裏付ける根拠となる事実)

・「○ヶ月の赤ちゃんはこれぐらいの大きさの粒のものをこれぐらいの量食べるもの」という離乳食本で得た知識

・「離乳食のメニューは炭水化物、ビタミン源、タンパク質全て揃っているべき」という離乳食本で得た知識


⑤反証(自動思考とは矛盾する事実)

・離乳食の進み方は人それぞれ

・栄養云々を親が心配しても食べないものは食べない

・他の人があげてもよく食べる訳ではない(この時点では保育園に行っていなかったからわからなかったものの、保育士さんがあげても食べない時は食べない)


⑥適応思考(根拠と反証を「しかし」で繋いでみる、もし他の人が同じ立場ならどうアドバイスするか考えてみる、などなど)

・離乳食の進み方の目安は本に書いてある。しかし、実際は人それぞれ

・身の回りの大人はみな普通にご飯を食べておりいつまでもミルクを飲んでいる人はいない。離乳食を目安通りに食べなくてもそのうち食べるようになるはず

・私の進め方が悪かったかもしれない。しかし他の人があげても食べない時は食べない

・今後は保育士さんに相談してみたらどうか。保育園では毎日お昼とおやつで離乳食が出るため、娘の進み具合は把握しているはず。プロの手を借りる。※このように他者に助けを求める能力も大事で、「援助希求能力」というらしい


⑦今の気分

悲しい(20 食べ物を残されるのはやっぱり悲しい)、自分に対する怒り(10)、心配(20 食べない時は何をやっても食べないといえ、栄養のことは少し気にかかる)


コラム法を実践した結果、ネガティブな感情が弱くなったのがお分かりだろうか。


今回の治療の進め方は

・1回目:初回は先生と一緒にひとつの事例(事例1)を①〜③まで考える→宿題で、もう一つ事例を挙げ(事例2)、①〜③まで考えてくる

・2回目:事例1と事例2を⑤まで先生と考える→宿題で、もう一つ事例を挙げ(事例3)、①〜⑤まで考えてくる

・3回目:事例1、2、3の全てについて⑦まで埋める

だった。


2.今後の治療

たとえ建設的に、事実に基づいて物事を捉えたとしても不安は残るもの。完全に消え去るものではない。

次からは不安への対処法に取り組んでいくそうです。乞うご期待。(上手く言語化できたらシェアしていきます)


3.治療を受けてみて

認知行動療法の本は読んだことがあったが、その方法について知識として持っているだけなのと、誰か他の人(それも精神の専門家)と一緒に実践してみるのとでは天と地ほどの差がある。なので、もし認知行動療法に興味のある方は一人でやってもいいけど誰か他の人と一緒にやるのをオススメしたい。

・当時は間欠泉のごとくネガティブ感情が吹き出しそれを修正する間もなく号泣していたが、娘から離れ、第三者と冷静になって考えることで当時のことを突き放して考えられている自分に気づいた。

・当時のことはブログやTwitterなどで何度も文章にしたが、コラム法の表に沿って書く(手書き)ことで初めてスッキリ整理できた。記憶を何度も辛いまま塗り直していたのが、再解釈できた感じ。

・先生曰く慣れれば瞬時に頭の中だけでコラム法を実践でき、自動思考を見直し適応思考に繋げられるそうだが、「何か思うようにならない物事発生→即ネガティブ感情全振り、即号泣」だった私が、今後再び娘と暮らすようになって何か事象が発生するたび冷静に自動思考を修正していけるかは自信がない。だからトレーニングを続ける必要があるだろう。

・とはいえ初めての治療法に期待を抱いている。だから希望を持って入院生活を送れている。良かったネ!

 

日によって波はあるものの体調は上向いている。涙もろくなくなり、日中はほぼ昼寝することなく起きていられるようになり、ご飯は美味しく食べられる。ラジオ体操も第一、第二までできる。しかしいつまでも入院しているわけにはいかない。いつか日常に戻った時のため、自分の考え方のクセを把握して必要があれば修正できるようになり、ストレスの逃し方を身につけて、鬱に陥る時間を少なくしたい。娘と夫とハッピーに暮らすために。