砂漠では化石がよく採れるらしい。昔海の底だったようで、アンモナイトなどがごろごろ出てくる。それをお土産として売る現地の人も多い。
あとはひたすら砂漠の中を進んでいく。
ヨーロッパ人がロッククライミングの聖地としているトドラ渓谷に寄る。切り立った岩は圧巻で、小川が流れていて足を浸すと冷たくて気持ちが良い。
ドライバーのおじさんはベルベル人らしく、非常に非常に良い人だった。
車の中ではベルベル音楽を聞かせてくれたり(単一のメロディーをひたすらかけあうことが多い。すさまじい変拍子だったりする)、ノリノリでイーグルスをかけてくれたりした。
途中、薔薇の街に立ち寄る(写真がないです、ごめんなさい)。
今は薔薇の季節であり、朝のうちに花を摘み取り、蒸留してローズウォーターを作るのだそうだ。ローズウォーターは蒸留した薔薇と同じだけの重さが取れるようだが、ローズオイルとなると大量の薔薇から少量しか取れないらしい。
この街を走っていると、子どもたちが薔薇で作ったネックレスを売ろうとしてくる。
ドライバーのおじさんは子どもたちを見ると車を止め、薔薇のネックレスを2つ買った。
「ひとつは車に、ひとつはマドモワゼル(要するに私)に」
おじさんの人柄に感動しつつ、その日は一日薔薇のネックレスをして過ごした。とても香り高く、またひんやりとしていて、日焼けした肌に心地良かった。
ワルザザートの街に着いたのは夕方8時頃。モロッコではサマータイムになっていることもあって8時頃まで日が沈まない。もちろん、緯度が低いことも大きく関係しているのだろう。
明日は最も過酷なオート・アトラス越えである。