新しい病院と、カウンセリングの開始
大人の発達障害を診てくれる病院を初めて受診した。診察前の事前検査でもASD傾向のあるうつ病との結果が出たらしい。
退院の少し前から頭の回転が著しく遅くなり、物事を順序立ててこなせなくなるわ、日本語が出てこない・読めない・聞き取れないと言語運用能力がガタ落ちするわで毎日泣きそうだったが、「ドラッグフリーにしたからうつが出てるんです。お薬は軽いのをほんの少し飲んでおいた方がいいと思います。あとはカウンセリングを受けてください」と言われ1週間ほどアリピプラゾール(エビリファイのジェネリック)を1日3mg飲み続けたら知能の落ちっぷりが体感で6割ぐらい改善した。エビリファイはこれまでも飲んだことがあり、効いてる実感はなかったけど、意外と効果はあったみたいだ。
うつ症状のひとつ「頭の回転が遅くなる」に対して、自分で工夫ができるようになったのも大きな進歩。
・手先を上手く動かせずテキパキと家事や作業ができないことについては、あえて「ひとつひとつの家事や作業を丁寧にこなす」ことを意識することで「テキパキと手早くあれこれこなさなければならない」という呪いから解放され、ストレスを減らすことができた。
・スーパーで欲しいものを買うためにどのように売り場を回るか思い浮かべなくて混乱していたのは、①売り場のまわり方まで事前に脳内シミュレーションしてからスーパーに行く②現地で非効率な動きをして何度も同じ場所をまわることになっても自分を責めない ことでだいぶ楽になった。
マルチタスクが発生するたび脳内で大混乱を起こしていたことについては、タスクが複数存在する状態をありのまま受け入れられるようになってきた(捌けるわけではない)。単に娘との生活に慣れてきただけかもしれないが。
今日は初めてのカウンセリングだった。心理師の先生からASDの説明を受けた。知能検査をやったか、と聞かれたのでWAIS-IVの結果を伝えると、
「各項目の点数を見るだけでも、他の方には理解されにくいことも沢山あったのではないかと推測できます。とてもお辛かったでしょう」
と言われた。
各分野の点数はそれぞれ低いわけではないのである程度いろんなことはできてしまうそうだ(人の話を聞き取りその意味を把握することは可能。学校の勉強は5教科全部得意だった)。それだけに、何かできなかった時に周囲から「なんで(他はできるのに)それができないの?」と言われてしまいがちなのだそうだ。理解されにくいタイプの障害。そして場の空気を読むのが苦手。
今までこんなに寄り添ってくれる心理師の先生はいなかった。これからの治療にも前向きに取り組める気がしている。
とりあえず、しばらくはガッツリ己の発達障害と向き合うことになりそうだ。来週もカウンセリングに行く予定。
退院しました。日常に戻っています
退院時期については元々「この調子なら8月中に退院かな〜」とふわっとした感じでしか言われていなかったが、コロナのせいで(おかげで?)早まった。
8月7日から一時帰宅し日常生活に戻る訓練をしていたところ、「精神科病棟でコロナ感染者が複数出ました。一時帰宅中に問題が生じていなければ退院できます」と医師から電話があった。9日に病院に戻り、病状と知能検査の結果に関する説明を受け、そのまま荷物を持って退院。
少し実家で体調を整えてから兵庫の家に帰る予定でいたが、娘がRSウイルスに罹ったため時期を早めて12日に帰宅。
【入院してみて良くなったこと】
・涙脆さは改善した(入院前は娘の顔を見るだけで泣き出すし、何かを話そうとするたびに泣いていた)
・薬は全部やめられた(家族はやたらと喜んでいるが私はさほど喜びを感じない)
【入院したが変わらないこと】
・朝や深夜(娘夜泣き時)に起きるのは辛い。昼寝から起きるのも辛い。
・身体が上手く動かない
・自分には子供を育てる能力体力気力がないと絶望する
・常にうっすらと死にたい
【入院と関係があるかわからないが悪化したこと】
・薬の離脱症状なのか、頭痛がヤバい
・言語運用能力の低下。文字を読んでも頭に入っては来ず、人の声がただの音に聞こえて言葉を聞き取るのが難しく、何か話そう、書こうとしても言葉が出てこない。書いていても文が組み立てられず文章が完結する前に途中で手が止まる。
・マルチタスクに対応できない。順番に作業をこなせず混乱してしまう
【入院によって得られたスキル】
・認知行動療法のコラム法
・クライシスプラン
・マインドフルネス
正直ブログを書いていても辛い。ですます調とだある調が混在してるあたりにも症状があらわれている。「入院→良くなったから退院」というストーリーを思い描いていたが、中途半端なところでコロナのせいで追い出されたという認識だ。医師からは「入院時の状態の悪さが10だとしたら、5ぐらいで退院して、あとは外来で診るのが普通」と言われたが、入院した病院(新潟)と自宅(兵庫)は離れているため外来でお世話になり続けることもできず、困っている。とりあえず関西で大人の発達障害を診てくれる病院は見つけたため、そこにかかろうかと考えている。
今はポンコツの頭と身体を無理矢理に動かして娘の面倒を見ている状態。またうつに陥らないか心配だ。頭がパニックになっているので筆を置く。
クライシスプランその1(多分続く)
先週からクライシスプランを学んでいる。
こちらのホームページにあるワークブックに沿って先生と話し合いながら進めている。
最初に、「何をしている時なら心地がよいか」を挙げ、次に今後どういう生活をしたいか目標を立てる。目標は例えば「仕事をする」などだ。
私は次のような目標を掲げた。
「朝6時ごろ娘と共に起き、離乳食とミルクをあげて、8時半に保育園へと連れて行く。16時にお迎えなので、それまでに買い物、調理、掃除などの家事を行い、休息もとる。 16時にお迎えに行き、しばらく娘と遊ぶ。 18時ごろ夕食の用意をし、娘に離乳食をあげる。 19時半ごろ娘をお風呂に入れ、ミルクをあげて、20時半から21時ごろに娘と共に寝る。これを毎日繰り返す。また、娘が病気になった時に対応できるように余力を残しておく」
先生には「これは結構厳しいんじゃないですかね…もっとゆるくてもいいのでは」と言われたが、娘中心の生活だとこうならざるを得ない。
次に、これまでの自分を振り返り、「安定した状態」(青信号)「注意状態」(黄色信号)「要注意状態」(赤信号)のそれぞれについて、キャッチしやすい変化を挙げていく。 例えば笑顔になれるとか、ご飯が美味しいとか。朝起き上がれないとか、涙が止まらなくなるとか、死にたくて何か行動を起こすとか。
それを一覧表にして、毎日、「今日の自分はどれに当てはまったか」のチェックと、睡眠時間を記載して、最終的にその日は何色信号だったかを記入する。 毎日セルフモニタリングして、危なくなってきたら周囲にどのように助けを求めるかあらかじめ決めておく…ところまでやるのだが、まだそこまで辿り着いてはいません。
私は現在、ドラッグフリーを目指して1〜2週間に1種類のペースで減薬している。精神科の薬には離脱症状を起こすものがあって、今回の場合、レクサプロやサインバルタを減らす過程で目眩と吐き気、怠さに悩まされている。世界をひっくり返したみたいな感覚で、常に世界がぐるぐる回っている。医師によればしばらくすれば収まるとのことだが、お陰様で朝も起きられず黄色信号の日が続いている。早くこの状態を抜け出したい。
きらきら星にマラカスを
昨日は七夕だった。
娘の保育園では七夕まつりをやったらしい。保護者が子供の代わりに書いた短冊を飾り、先生方が星型の飾りでトンネルを作ったり、0歳児クラスみんなできらきら星を歌ったりしたそうだ。娘は歌に合わせてマラカスを振っていたそうである。
自分の病気を理由に保育園に行かせるにあたり罪悪感もあったけど、こうやって季節の行事をやってくれると本当にありがたいな、良かったなって思う。
ちなみに夫が娘の短冊に書いた願いは「ハイハイができますように」。もうすぐ生後10ヶ月になるが、ハイハイはおろかずり這いもやり出す気配はない。果たして次はずり這いをするのか、はたまたハイハイすっ飛ばして立つのか。いずれにせよ自力で移動できれば娘の世界は広がるに違いない。
不安対策としてのマインドフルネス(らしいよ)
認知行動療法のコラム法では、何か出来事があった時の認知を見直すことでネガティブな感情を軽減できることを学びました。(参考:前回ブログ)
しかし、「どんなに建設的に考えたとしても不安は残るもの」。その不安への対処法として先生が紹介してくださったのが…
マインドフルネス。
一日5分から10分、目を閉じて呼吸に意識を向ける、ただそれだけ。「あ、今冷房の風が当たって涼しいな」など、その時々の感覚に敏感になる。途中で何か考えが浮かび上がってきてもそれはそれとして「今、こんなことを考えているな」と観察する。
不安が生じるのは未来のことを考えるから、後悔が生じるのは過去のことを考えるから。今ココのことしか考えなければ、不安も後悔も生じないはず。
実際、うつに効果があったというエビデンスは多数あるようです。資料ももらいました。
正直、「マインドフルネスか〜あんまり目新しくはないな…」と思いました。ひと昔前、よくテレビで取り上げられていたような。しかしワタクシ、「呼吸に集中」系は続いたことがないのです。合唱のためのブレストレーニングとか、呼吸と動きが一体となったヨガならできる。でも純粋にただ呼吸に集中しようとすると、目の前の感情にかまけて「やってられないんじゃー」と投げ出してしまいます。以前もカウンセリングを受けていた時、「ネガティブな感情に飲み込まれそうになったら呼吸法で逃がせ」(1、2、3でゆっくり吸って、4、5、6で止めて、7、8、9、10でゆっくり吐く、だったような)と言われていたものの継続できず。
今まではうつが続いても寝ていられました。しかし今は娘がいる。退院したら娘中心の生活が待っています。先生曰く、自分でやってみたらスッキリするし、続けたところ同時にこなせるマルチタスクの数が増えるなどストレス耐性が向上したとのこと。せっかく信頼できる先生に会えたことですし、騙されたと思って入院期間(あと2ヶ月ぐらい)はやり続けたいと思います。頑張ろ。
コラム法で思考を整理してみよう(認知行動療法を受けてみて)
入院して2週間が経った。問診と検討会の末ASDの診断が下ってからは、ドラッグフリーに向けて減薬すると同時に、週1〜2回のペースで先生の治療を受けている。1回につきだいたい30分〜1時間ぐらい時間を取ってもらっている。
今日認知行動療法の3回目を受け、コラム法と呼ばれるメソッドの学びがひと段落したので、やり方と治療を受けてみての感想を書きたい。ASDやうつの人に限らず全ての人が使える方法だと思うので参考にしてみてほしい。
1.コラム法のやり方
3段階や5段階など色々あるようだが、7段階のものを今回は採用。ひとつの事例を挙げ、①〜⑦まで表を埋める形で進めていく。
①状況(いつのことか、どこにいたか、誰と一緒にいたか、何をしていたか)
例:GWのある日、離乳食をあげる時間(10時半〜11時ごろ)に自宅で娘に離乳食をあげようと準備するが全く食べてくれない。夫が見ている。
(なお、この後号泣し離乳食とその後のミルクを夫に投げた。情け無い。夫よごめん)
②気分(一言で表して0〜100で点数をつけ、強い順に番号を振る)
悲しい(80…一番強い)、戸惑い、自分に対する怒り(70…2番目)、心配(40…3番目)
※辛い は抽象的なので悲しいとか怒りとかの方がいいそうです
③自動思考(その時に頭に浮かんでいたこと、イメージや記憶を書き出し、認知の偏りのどの型に当てはまるか考える。型については「べき思考に捉われて(認知行動療法やるぞ)」
https://elaineintherain.hatenablog.jp/entry/2022/06/23/192322 参照)
・何故食べてくれないのか(理由がわからない)→正常な思考
・切り方、素材、味付けなど私の作り方が悪かったのでは→自己関連づけ(自分を責めすぎ)
・私の離乳食の進め方が悪かったのでは→自己関連づけ、「○ヶ月の赤ちゃんはこれぐらい食べるべき」という一般化のしすぎ
・離乳食で栄養を摂らないといけないのにこの子は大丈夫なのか?という心配→一般化のしすぎ(一回食べなかったぐらいで栄養不足にはならない)
④根拠(客観的に「そう考える根拠は何か」考える。自動思考を裏付ける根拠となる事実)
・「○ヶ月の赤ちゃんはこれぐらいの大きさの粒のものをこれぐらいの量食べるもの」という離乳食本で得た知識
・「離乳食のメニューは炭水化物、ビタミン源、タンパク質全て揃っているべき」という離乳食本で得た知識
⑤反証(自動思考とは矛盾する事実)
・離乳食の進み方は人それぞれ
・栄養云々を親が心配しても食べないものは食べない
・他の人があげてもよく食べる訳ではない(この時点では保育園に行っていなかったからわからなかったものの、保育士さんがあげても食べない時は食べない)
⑥適応思考(根拠と反証を「しかし」で繋いでみる、もし他の人が同じ立場ならどうアドバイスするか考えてみる、などなど)
・離乳食の進み方の目安は本に書いてある。しかし、実際は人それぞれ
・身の回りの大人はみな普通にご飯を食べておりいつまでもミルクを飲んでいる人はいない。離乳食を目安通りに食べなくてもそのうち食べるようになるはず
・私の進め方が悪かったかもしれない。しかし他の人があげても食べない時は食べない
・今後は保育士さんに相談してみたらどうか。保育園では毎日お昼とおやつで離乳食が出るため、娘の進み具合は把握しているはず。プロの手を借りる。※このように他者に助けを求める能力も大事で、「援助希求能力」というらしい
⑦今の気分
悲しい(20 食べ物を残されるのはやっぱり悲しい)、自分に対する怒り(10)、心配(20 食べない時は何をやっても食べないといえ、栄養のことは少し気にかかる)
コラム法を実践した結果、ネガティブな感情が弱くなったのがお分かりだろうか。
今回の治療の進め方は
・1回目:初回は先生と一緒にひとつの事例(事例1)を①〜③まで考える→宿題で、もう一つ事例を挙げ(事例2)、①〜③まで考えてくる
・2回目:事例1と事例2を⑤まで先生と考える→宿題で、もう一つ事例を挙げ(事例3)、①〜⑤まで考えてくる
・3回目:事例1、2、3の全てについて⑦まで埋める
だった。
2.今後の治療
たとえ建設的に、事実に基づいて物事を捉えたとしても不安は残るもの。完全に消え去るものではない。
次からは不安への対処法に取り組んでいくそうです。乞うご期待。(上手く言語化できたらシェアしていきます)
3.治療を受けてみて
・認知行動療法の本は読んだことがあったが、その方法について知識として持っているだけなのと、誰か他の人(それも精神の専門家)と一緒に実践してみるのとでは天と地ほどの差がある。なので、もし認知行動療法に興味のある方は一人でやってもいいけど誰か他の人と一緒にやるのをオススメしたい。
・当時は間欠泉のごとくネガティブ感情が吹き出しそれを修正する間もなく号泣していたが、娘から離れ、第三者と冷静になって考えることで当時のことを突き放して考えられている自分に気づいた。
・当時のことはブログやTwitterなどで何度も文章にしたが、コラム法の表に沿って書く(手書き)ことで初めてスッキリ整理できた。記憶を何度も辛いまま塗り直していたのが、再解釈できた感じ。
・先生曰く慣れれば瞬時に頭の中だけでコラム法を実践でき、自動思考を見直し適応思考に繋げられるそうだが、「何か思うようにならない物事発生→即ネガティブ感情全振り、即号泣」だった私が、今後再び娘と暮らすようになって何か事象が発生するたび冷静に自動思考を修正していけるかは自信がない。だからトレーニングを続ける必要があるだろう。
・とはいえ初めての治療法に期待を抱いている。だから希望を持って入院生活を送れている。良かったネ!
日によって波はあるものの体調は上向いている。涙もろくなくなり、日中はほぼ昼寝することなく起きていられるようになり、ご飯は美味しく食べられる。ラジオ体操も第一、第二までできる。しかしいつまでも入院しているわけにはいかない。いつか日常に戻った時のため、自分の考え方のクセを把握して必要があれば修正できるようになり、ストレスの逃し方を身につけて、鬱に陥る時間を少なくしたい。娘と夫とハッピーに暮らすために。
ぬわーーーにがASDじゃ
と言いたくなることがある。
ASDの人はこだわりが強い、らしい。
そして人の気持ちがわからないことが多い、らしい。
では変に細かくてこだわりが強くてそれをこちらに押し付けてくる面倒くさいあの人は何食わぬ顔して生きてるけど定型発達なのか?「普通」なのか?人の気持ちがさっぱりわからないのに平然と会社員生活を送っているあの人はどうなのか?部下の気持ちも考えず潰しまくるパワハラクソ上司は?セクハラをする人も相手の気持ちわかってないよね?やたらめったら周囲を攻撃しまくってみんなが迷惑被っていた人は?あいつらは「普通」とされていて、私は「異常」なのか???と頭の中で怒りが渦巻くが、いやいや、と思い返す。
ASD自体は特性でありそれに良いも悪いもない。そこに生きづらさが生じてしまえば治療の対象となるのだ。私の場合鬱症状が出てくるから問題なのであって、生活に何の支障もなければ問題はない。(と言い切っていいのかはわからないけれども)
そもそもASDは白か黒かで判断されるものではなく、グレーゾーンの人もいっぱいいる。だから自閉「スペクトラム(=連続体)」症と呼ばれるのだ。
おそらくみんな何かしら「普通」からはみ出す部分を抱えている。乱暴な言葉で言えばどこかしらぶっ壊れている。私自身も、ASDの特性は置いておくにしても色々とぶっ壊れている。だからみんな寛容になって認め合えばいいんですよねきっと。ただセクハラパワハラは御免被りたい。はい、世界平和。