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日々

Testosterone著『筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法』

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TestosteroneさんはTwitterで有名な人だ。
執筆当時は日本企業の役員を務めつつ、とあるアジアの大都市で企業の社長として働いている…らしい。筋トレについてよく呟いているけど基本的にポジティブで優しい。好き。

 

という訳で、『筋トレが最強のソリューションである』。もうこのタイトルで全部言い尽くしてるようなものだが、例えば、
『自信がない人は筋トレをしてください。
①身体がカッコ良くなる②異性にモテる③テストステロンというホルモンがあふれて気分上々④上司も取引先もいざとなれば力尽くで葬れると思うと得られる謎の全能感(※ここ太字)⑤恋人に裏切られたとしてもバーベルがいるという安心感
以上の理由から自信がつきます。』
みたいな感じです。
なお、私がこの本を評価する理由は、
『筋トレxデブは相性最高!見返すなら筋トレ
「デブは怠慢」だとか「デブは自己管理がなってない」だとかデブになった事もない奴が言うな。物心ついた頃には太ってた、太りやすい体質、ケガで太った、食べることでしかストレスを解消できない等様々な理由がある。さて、(※ここから太字)筋トレxデブって科学的に最高に相性いいんですけど筋トレ始めて見返しませんか?』
という、「安易にデブをバカにするな」というデブに対する優しいスタンスをとっており、おそらくこの人自身がかつて110kgの肥満児であったことが関係していると思われる。病気の治療で激太りした私としては首がもげるほど頷きたい。
ちなみにこの「筋トレとデブは科学的に相性がいい」というのは、デブがいわゆるイージーゲイナー(消化器官もインスリン感受性も最高で超スピードで筋肥大する人たち)だからである。
どうやらTeststeroneさんはジムに行きバーベルやダンベルなどの器具を使っているようだが、私は自重トレ(※自分の体重のみで行う筋トレ)しかしていない。
それでも、だんだん脳筋と化しつつあることは自覚している。NHKの人気番組「みんなの筋肉体操」では、番組の終わりに必ず「筋肉は、裏切らない。」と言って〆るが、激しく共感するようになってきた。体組成計に乗ったところで体重も体脂肪率も1日の中で誤差が大きく、基礎代謝もほとんど年齢と身長で適当に割り出されているらしい。信じられるのは、自分の手で触って感じられる自分の筋肉だけだ。
ちなみに、筋トレの科学的効果を大学の研究者とコラボして解説した『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』という続編(?)もありますが、この本を読み終わったら読むといいかもしれません。
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まあまずはこの本買って筋トレしよ。

森奈津子 『西城秀樹のおかげです』 『からくりアンモラル』

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お好みに応じてどちらか一冊だけでも手にとっていただければ幸福の極み。興味なければ無視してください。
笑いを求めるなら西城秀樹、切なさを求めるならからくりアンモラル。
私は、現代日本社会でいかに人間のセクシュアリティがリスペクトされておらず、特に女性のそれが踏みにじられているかを問題視したい。
みんな女の身体も男の身体も、それ以外の人の身体も軽視しすぎじゃないですか?
誰かの彼女が、妊娠したか心配して婦人科に行ったことを男どもが笑い話にしてるの、ボッコボコにタコ殴りにしたくありませんか?
未だになくならないセクハラ発言。吐きそうになるようなマタハラ。
政治家の女性蔑視発言はげっそり。
未だに少子化は女だけのせいだと思ってる人々。(個人の自由意志とは)(そして男もいないと子供はできないのに…?)
新型コロナウイルス関連で、バイトの収入がなくなりパパ活に手を出したり、家庭不和から男の家に転がり込み、望まない妊娠をしてしまう10代の女性たち。
酷いDV。虐待。望まない妊娠でシングルマザーになってもDV男からは養育費も強制的に取り立てることはできない。
リアルの世の中では、女性が(一般的に)男性より腕力が弱いこと、また、妊娠の可能性があることから、性犯罪の対象になりやすかったり、軽率な、もしくは無理矢理な性交渉(≒レイプ)で望まない妊娠や性感染症感染という恐ろしい危険がついて回ります。
セクシュアリティを踏みにじられているのは女性だけではありません。男性も、それ以外のセクシャルマイノリティもそうでしょう。
(LGBTQってよく言うけど、他にも色々いると思うので、私はセクシャルマイノリティと呼びがちです。)
セクハラといえば「目上の男性が年下の女性に対して行うもの」みたいな旧石器時代かよ!(殺)という認識が溢れているのにも怒り狂っています。みんな、相手が男だったら何を言ってもいいと思ってないかい⁇
男女の枠にハマらない人々-トランスジェンダーやクエスチョニングなどはもはや社会に存在しないかのように扱われてる。
そこで、(とりわけ女性性が傷つけられたように感じているあなたに)ご紹介したいのはこの2冊。
西城秀樹〜はエロx笑いxSF。
からくりアンモラルはエロx切なさxSF。
ポルノかよ!
はい、ポルノです。
(はてブに追放されないか心配)
そしてSFは、セクシュアリティを題材にするのにぴったりの仕掛け。あまり書くとネタバレになるのでやめとく。
森奈津子の小説には、徹底的な女体尊敬、女体崇拝、女体賛歌の考えが貫き通されています。
その姿勢にどれだけ救われたことか。
(ちなみにこの2冊、絡みは98%女性同士です)
「自分の作品では男性性を傷つけない書き方にも気をつけている」とどこかのインタビューで言ってらして、骨のある作家だなと思いました。
なお、著者自身がバイセクシャルでサディストでマゾヒスト。セクシャルマイノリティが世の中で認められるよう、実際にペンで闘ってきた人であり、『耽美なわしら』は異性愛者、同性愛者、バイセクシャル、Aセクシャルなどが総出で笑いを繰り広げる「セクシャルマイノリティってこんなだよ!」という初心者向け教科書的立ち位置の本になっております。
また、根本的スタンスとして「サディストはマゾヒストに奉仕するもの」みたいなところがあり、「私/俺、Sなんだよね〜」と単なる性格の悪さを「S」と自称する人間に「SはサービスのSよ…」と鞭を片手にピンヒールを向け、冷ややかな目線を向けられるようになりました。知り合いのSM嬢曰く、SMって経験が非常に重要な奥深い世界らしいですよ。何の話だ(脱線)
『からくりアンモラル』の表題作は保健体育の教科書に袋綴じで掲載するべきだと、常々思っています。思春期の女性が感じがちな、自分の身体の社会的意味が変わっていくことの戸惑いと、社会に溢れる女性の身体のイメージや、自分自身の体に対する嫌悪は、わかる人には痛いほどわかるでしょう。意外なことに、それを経験せず大人になる女性も多いようです。成長過程って人それぞれねぇ。ちなみに私は自分の身体から性というものを剥ぎ取って無性になりたかったよ。
おそらくこの本の中には「児童ポルノ」に分類される短編もあるでしょう。登場人物は18歳未満の子もいるからね。でも、だからこそ私は救われているところがあるので(自分の身体に戸惑い辛かった思春期時代の自分を慰められている気がする)、児童ポルノの一律規制には疑問です。
なお、著者の森奈津子氏は「実被害児童がいる児童ポルノは断固として禁止するべき」(子供の裸の写真とかでしょうか)とおっしゃっていて私も激しく同意します。
ポルノ自体の規制も、性犯罪の抑止に繋がるかは疑問です。海外旅行によく行く人にはわかると思いますが、日本よりもっとポルノ規制が強かったり、性道徳が厳しかったりする国でも(夫婦でない男女は同じホテルの部屋に泊まってはいけないなど) 、平気で日本人女性に対する性犯罪は起こります。AVのせいで日本人女性は性にオープンだと勘違いされているのかもしれませんが、ファンタジーとリアルを混同するのは人間として失格だからな!!(ビシィッ!!)
女性もしくは男性、もしくはそれ以外の人がモノのように扱われるポルノがあったとしても、私はその存在を否定しません(私の好みではないですが)。それによって救われている人もいるかもしれないからです。大事なのはリアルで他人に危害を加えないことだよ。
社会学赤川学が確か書いていたけど、性への自由と、性からの自由(性的なものに触れない自由)は両方保障されるべきよね。
みんな、自分の身体は自分のもので、大事にされるべきものだし尊重されるべきものなんだよ。性的な要素含めて。
ちなみにこれらの本は今は亡き新潟古町のWITHビルのヴィレヴァンで買ったものですが、ある時期(2011年頃)から全国のヴィレヴァンからエロ系、アダルト系が一斉に撤去されてしまい、あの猥雑な雰囲気が大好きだった私にとってはとても悲しかったのを憶えています。
自分がアダルト系買うかどうかは別としてさ、つまんねー世の中になったもんだなー。
 
ちなみに次に読むならこれです。どうぞ。
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吉川康雄 『いくつになってもキレイ!になれる』

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まず申し上げたいのですが、この本は表紙もタイトルもイマイチだと思います。なんかマダムシンコっぽくないですか?(豹柄ではないけど)
著者の吉川さんはニューヨークを拠点とするメイクアップアーティストですが、これでは吉川さんがディレクターを務めてきたブランド、CHICCAのファンしか手に取らないのではないか。
CHICCAはブランド終了が決定し、カウンターは全て閉店、おそらく現在は在庫限りの状態で、2020年9月に完全終了の予定です。
私もおそらくCHICCAを知らない状態だったら手に取っていなかったと思います。
ただ、内容としては学ぶところが多いのでご紹介させていただきます。(一旦ボロクソに落としてその後持ち上げるパターン)
 
この世に生まれた瞬間から始まるエイジング。若い頃は成長と呼ばれ、ある程度を過ぎると老化と呼ばれる。これは中高年のためだけの本ではありません。自分が過去の若さを振り返るようになった全ての人に向けた本です。
「歳をとっていくことを意識することは憂鬱なことですが、実はその悲哀が女性を美しくさせていると僕は感じています。勘違いしないでほしいのは、エイジングの悲哀は、すべての世代、10代や20代にもあるということです。たとえば、モデルの世界では10代半ばで注目を浴びる娘は、20歳になれば、今度は自分が追われる立場になります。5歳年下の新人の娘と比べ、変化していく自分や失われゆくものに気づいた悲哀が、彼女をもっと美しい20代へと押し出すのです。」
「本書は大人の女性に向けたメイクの本です。では、そもそも大人って何なのか。
僕は、ちょっと変わったとらえ方ですが、『エイジングを感じ始めたひと』のことを、そういいます。敏感なひとは10代後半でそういう意識をもつでしょうし、30歳になってから自覚するひともいるでしょう。
いずれにしろ、自分の過去の若さを振り返るようになったときに、ひとは大人になるのだと思います。
僕の考えでは、自分が日々変化していることに無頓着、もしくは、目をそむけているひとを大人と呼ぶことはできません。なぜならそういった”気づき”こそが、自分を大切にすることや、自分らしい魅力を考え始めるきっかけを作ってくれるからです。」
この「エイジング」のとらえ方には衝撃を受けました。日本でアンチエイジングというと、シワを防止したりする化粧品を指したりしますが違うのだなと。
「第1章 いくつになっても”大人かわいい”のすすめ アンバランスにこそ魅力がある」というタイトルなどは、もはや「カワイイ」という単語にアレルギー症状を持つ私にはおぞましくて鳥肌が立つものですが、吉川さんの作品集を見ると、必ずしも日本的カワイイ(=若さ至上主義で幼さを強調する)を追求しているメイクアップアーティストではないことがわかります。どちらかというと艶かしく、その人の底から湧き上がる生命力を感じさせるメイクが多いのです。特に目を引くのがヒラリー・クリントンの写真。下記URLに記載の白黒写真は私がこれまでに見たどんなヒラリーより美しいです。
(※吉川さんはツヤ肌の提唱者)
作品集URL↓

lateliernyc.com

ヒラリーのページ
単純にテクニック的なところを言えば、ベースメイクはツヤ肌を心がけること、似合わない色のアイシャドウやリップは存在しなくて塗り方さえ工夫すれば誰にでも何でも似合うこと、などが参考になります。
本当は吉川さんのプロダクトに直接触れた方がその哲学を理解できると思います。
CHICCAは元々パッケージが可愛すぎて手を出す気にならなかったのですが、ブランド終了の知らせが出た時に熱心なファンから布教され、いくつか試してみました。
ファンデーションをタッチアップした時の第一印象は「生まれたての赤ちゃんみたい!」。そこまでは言い過ぎだけど、遠目に見るとマイナス10歳肌になる。(これは本当)
口紅はびっくりするほどなまめくツヤで溢れ出る生命力。「5分の2発色」と吉川さん自身が言っているように、決して鮮やかな発色ではないのに透明感があり、確実に顔の印象が変わります。めくれ上がったような唇の演出。
血色ではなく、「体温」になりすますチーク(プロダクトを見るとあまりの色鮮やかさにビビるが薄づきなのでつけてみると違和感はない)。
なまめくアイシャドウ。
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別に「カワイイ」メイクにはなりません。でも、その人が元から美人であったかのような印象になります。あまり「化粧してる感」が無く、厚化粧を徹底的に否定するブランドです。
終了が惜しい限りです。(Kaneboさんや…)
なお、吉川さんの別の著者『生まれつき美人に見せる』は初めて読んだ時猛反発しました。
「男性は女性をこういう目線で見てるからこういうメイクをした方がいい」ということがたっぷり書いてあるからです。
「ウルセー!私は男性のためにメイクしてるんじゃない、自分のためにメイクしてるんじゃー!」と思っていましたが、ある日考えが変わりました。
「つい今し方、その辺で生の内臓喰らってきました」みたいなダークなリップを塗り、アイシャドウも濃い目に塗り、睫毛もバッチバチにしていたら(※当時、半分武装のためにメイクしていた)夫から大変不評だったのです。
その時に再び本を開くと、非常に勉強になりました。その時会う相手、一緒に出かける相手によってメイクを使い分けるのも、お互いが心地よくいられるために大事ではないかと思うようになりました。
ちなみに、吉川さんの本は「メイクは女性がするもの」という考えが書かれており、現代社会ではそれが一般的かとは思いつつも、今はFIVEISMみたいなメンズメイクのブランドも出てきていますし、KATEも男性モデルを使い始めたし、私がshu uemuraを好きなのは、男性モデルも積極的に起用しているからです。あとモデルがアジア人ばっかりなのもいい…日本のブランドなのに西洋人モデルばかり起用するところのなんと多いことか。(チコちゃんのナレーションの声で)(別に絵面としてはいいが参考にならない)
メンズメイクはアイシャドウやリップの色で遊ぶよりも、「ベースメイクで長年のコンプレックスだったニキビを隠せて自信がついた」などと言う人が多い気がしますね。
ちなみにメンズメイクのYouTuberだと松井力さんがお勧めです。アメリカ生まれアメリカ育ちのジャパニーズアメリカンですが、日本語が綺麗で語彙力豊富。「可愛い」しか連発せず何の参考にもならない、語彙力貧困な日本の女性YouTuberに食傷気味の時にオススメ。
最近の私はMiMCの石鹸落ちクリームファンデーションを使い(肌負担を全く感じない軽さ。高いけど下地が不要なので結果的に安いと自分に言い聞かせている)、ポイントメイクはNARSでバッキバキのメイクをしていることが多いです。アイブロウ、マスカラ、アイラインはプチプラを使用、キャンメイクは神で日本コスメ界の良心。あとマスカラは台湾コスメの1028が素晴らしいのを出してます。台湾女子も「崩れにくい!很好用!」と太鼓判を押してます。日本では売ってないので台湾に行ったら買ってね。
【余談】
なお、Instagramではshu uemuraの本国(文章は全部英語)とshu uemura Taiwanのアカウントを両方フォローしていますが、本国アカウントでは切れ長の目のお醤油顔のモデルさんが多いのに対し、台湾のアカウントではお目目ぱっちりのモデルさんだったり、いかにもな中華美人だったり、今流行りのチャイボーグみたいな人も出ていて、同じブランドでも国によって美の価値観の違いに驚かされます。
 

戸田誠二 『生きるススメ』『しあわせ』

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大好きな漫画の紹介です。
新谷かおる氏激賞!!」
『感受性のない奴は買うな!!!
 価値がわからん!』
この衝撃的な帯。
だがこれ以上この漫画を表現する的確な言葉を知らない。
感受性の有無は置いておいて、響く人には徹底的に響き、わからない人には徹底的にわからないタイプの漫画だろう。
「わずかなページ数で人の未来と終焉を同時に描ける稀有な才能に、薄刃のナイフで喉元をすーっとやられた気分になる。誰もがもっていて、ほかの誰にも知られたくない部分が突きつけられるからだ。でも、大丈夫、描かれているのはあなたのことではない。この麻薬のようなオブセッションに、しばし浸ろう!」(帯より)
元々インターネット上で漫画を公開していた人に出版社が目をつけて書籍化。「生きるススメ」が1冊目、「しあわせ」が2冊目。
基本的にショートショートの短編集。
割とこの人の作品は「ヒューマン」って形容されるし言いたいことはわかるんだけどそんな単純な言葉で片付けて欲しくない複雑なファン心理。
あなたの感受性に響くかどうかは、漫画が描いてある裏表紙も載せるので参考にしてみてください。
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ご本人のサイトからも、色々試し読みできます。
今は亡き新潟古町WITHビルのヴィレッジヴァンガードで購入。
「しあわせ」裏表紙の「くらげ」には当時から深く共感し、多少大人になった今でもこんな気持ちになることはある。

「日本語ネイティブとは、自分の母語が日本語だと思い込んでいる人々のことである」

…みたいな気持ちになっています。今。


大学の時、中国語の先生に「漢民族とは、漢字で何となく繋がっている気がしている人々のことである」と教えられた時のように。

もはや共同幻想の世界。

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みんな「腹式呼吸」って言ってみて?どれだけ母音をちゃんと発音してる?

「春のうららの隅田川 のぼりくだりの船人が」って読んでみて?
「はるのうららのすみだがわ のぼりくだりのふなびとが」。

「が」って鼻濁音になってます?なってません?どう?

「フクシキコキュー」について。
私(新潟出身)の場合、前の「フクシ」まではほとんど母音をはっきり発音してません(無声化)。
でも、近畿とか四国だと、この現象が起こりにくいんだそうです。
えええ。

語頭以外のガ行(「すごい」とか)、助詞の「が」、みんな鼻濁音になってる?
NHKのアナウンサーはなってますけど。

私は小学校の合唱部で、「語頭以外のガ行は全部鼻濁音で発音しろ」みたいなことを叩き込まれたので、それが「正しい」標準語だと思っていたんですが…

アナウンサーや役者さんが鼻濁音を使うのは、標準語の元となった東京方言にこの法則があり、それが長年「正しい」標準語だとされてきたから、らしいんですけど、最近その認識も揺らいでいるようで、元々地域によってガ行の発音は違うし(gとŋ以外にも色々あるようだ⁈⁈⁈)、そもそも東京でもこのルールは衰退しているそうで、「正しい日本語とは???」みたいになっております。

このように、方言とはまた違うレベルで、同じ「標準語」を話している(つもりの)時も、地域や人によって細かい発音が異なっていることが、勉強によってわかりました。

なお、歌の世界では、
合唱や声楽ではおそらく全国的に(語頭以外の)ガ行の鼻濁音は徹底されていると思いますが、J-POPやJ-ROCKでは全部[g]で発音する人が多い印象。
好きな歌手の曲を聴いてみてください。どうですか?
森山直太朗は[ŋ]を使うけど、もしかしたら場面によって[g]と[ŋ]を使い分けてるかも?という感じがします。もしそうだったら歌手ってすごい。

えー。暇極まりない人は、登坂淳一アナウンサーが読む米津玄師のlemonの歌詞と、


【読んでみた】lemon 米津玄師【元NHKアナウンサー 登坂淳一の活字三昧】【カバー】



実際のlemonの曲を聴き比べてみてください。


米津玄師 MV「Lemon」


(いや〜いい曲ですね〜)

いや、米津玄師が普通に話す時に鼻濁音を使っているかは不明ですよ。でも全部[g]で発音しとるー!!

なお、衝撃を受けたのは、NHKがガンガン流している東京2020応援ソング「パプリカ」です。
これは子供たちが歌ってるバージョンですが


<NHK>2020応援ソング「パプリカ」ダンス ミュージックビデオ


初っ端から「まが[ga]りくねり♪はしゃいだ道〜♪」。
…ギャー!!(悲鳴)
歌だったら鼻濁音にならなくてもいいのか、NHKよ。

そして今まで散々J-POPやJ-ROCKを聴いてきたのに、鼻濁音がほぼ絶滅寸前であることに何の違和感も持っていなかった自分。こわ…

自分が信じてきたことがガラガラと崩れ落ちていくような感覚があり、勉強って面白いですね。ははは。

【日本語教師の資格を取るで の巻】

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えーーー不言実行の方がカッコいいと思いますが、宣言した方が頑張れる性分なので、書きます。
10月25日の「日本語教育能力検定試験」で日本語教師の資格を取ろうと考えています。
日本語教師になるためには、下記のいずれかを有することが条件になることが多いです。
日本語教師養成講座で420時間コースを修了
日本語教育 能力検定試験に合格する
③大学・大学院の 日本語専攻で学ぶ
日本語学校」で教壇に立つためには、だいたい①が求められるそうですが(実技の練習もあるでしょうし…)、オンライン日本語教師は①〜③のいずれか、特に①か②が募集要件となっているところが多いです。というか①を取るためには専門学校に通わねばならず、噂だと学費が70万とか80万とか…??いやいや、ちょっとそれは無理。
私がやりたいのは日本語学校で教鞭を取ることではなく、オンラインで教えることなので、自分で勉強して取れる②を目指そうと思いました。既に通信教育に10万ぐらい払ってるし、受験料1万800円だし、試験は年に一度しかないし(合格率2割、通信教育修了者は66%まで上がるらしい)、更に問題集やら過去問やらの書籍を自分で買う必要があるっぽいので、将来的にその金額を回収できるのかと言われると不明ですが、今まで自分が中国語(特に台湾で話されている中国語、台湾華語)に費やしてきたお金と時間を考えると、完全に「興味」「趣味」「夢」「愛」の世界な訳で、メシのタネになろうがならまいが、気にせずちょこちょこやってきた訳です。オンライン台湾華語を週2回x50分受けるだけで毎月1万7千円ぐらい飛んでいきましたし(宿題も出すし、教科書の単元が終われば小テストをやる先生だったので授業時間以外も勉強が必要でした。良かったね)、参考書に使ったお金…資格取得のための労力(TOCFLがマジでヤバい。模試解きまくり、解説が一切付いていないのでネイティブに解説を求める、そしてビシバシ発音を直される)…更に今まで中国旅行(5回)と台湾旅行(計4回)と留学3週間に費やしてきたお金を考えると…(((*´ω`*)))ブルブルブルブル
なんとなーく語学だとアルクが頼りになるよねー(英辞郎は神)、みたいな軽率な理由でアルクの通信教育を選びました。教科書が24冊もあるよ(死)しかしやっぱり半分は趣味の世界です。
これまで、4人ぐらいの台湾人とマンツーマンで言語交換(お互いの母語を教え合う)してきました。でも、母語話者としてなんとなくのルールは説明できても、その基盤が無いことに気がつき、きちんと日本語を勉強したいなあと思いました。今ではZoomでオンライン言語交換にも参加していますが、かなり大人数(6〜8名?)になるので、マンツーマンのように相手の進度に合わせて教えるとか、逆に相手への質問を用意しておくためにこっちも事前に資格試験の模試や文法問題集を解いてわからないところを明らかにしておくとか、そういうのはないです。
オンライン日本語教師だと、日本語以外の媒介語(英語や中国語など)ができることがアドバンテージになるらしく、確かに私のオンライン台湾華語の先生も、日本語がペラペラとまではいかないものの基礎はあるので、中国語だけでの説明で足りない時はポンっと日本語の訳を言ってくれたりして、それが武器になっているなあと感じます。
私の場合、英語(ビジネスレベル)と中国語(ヘッポコだが基礎はある、日本語の文法との違いもわかる)が使えることが、アドバンテージになるのではないかと思いました。
そもそもオンライン日本語教師に興味を持ったのはDMM英会話を数ヶ月間受講したためで、特にフィリピン人の先生とか、後ろで子供の泣き声がしたり、朝早いとニワトリの声がしたりしてるんですよ(笑)お給料は良くないだろうけど、ある程度フリーダムでもいいのかなという部分に惹かれました。
ただ、本当にメシのタネにしたいのか?と言われると若干揺らぎがあり、実は私の地域にも外国人技能実習生として日本語があまりわからないまま日本に来て、製造業・サービス業を支えている方々が沢山いるんです。アジア圏が多くて、特に多いのがベトナム人。テレビを見ていると介護職とか、農業でも技能実習生はいらっしゃいますね。5年しかいられないっていうのは本当にやめてほしいと思います。彼らの助けに少しでもなりたいという気持ちはあります。っていうかそれよりベトナム語勉強しろよ!!(母音・子音の発音YouTubeでそれぞれ約15分間死ぬほどリピートアフターミーをさせられて疲れて挫折している) 10万円給付が彼らにも支払われると知ってホッとしました。
まあ、それは獲らぬ狸の皮算用な訳で、どういった形で資格を活かすかは資格が取れてから考えます。
教科書が24冊あるので、
・今から3ヶ月、1週間に2冊のペースで勉強する
・残り2ヶ月で過去問、模試、問題集をゴリゴリやる(大学受験かよ⁈)
みたいなペースで進めていきたいと思います…っていうか申し込んだのが遅すぎてそのペースで勉強しないと追いつかないんですけどねハハハハハ(乾いた笑い)
この辺りは私の趣味の世界↓
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これは方言について書かれていて面白そう
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言語学は入門書で尽く挫折してるのでこれは言語学の基礎を学ぶ良い機会かも
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まあ楽しんでやるのが一番だよね!無理せずほどほどに頑張りまーす。

中国のアニメ映画「羅小黒戦記」(傑作)

6月1日より映画館がオープン!
2日に「羅小黒戦記」という中国のアニメを観てきました。
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2011年に動画サイトに投稿されて以降、いまや中国を代表するアニメなのだそうです。
中国での映画版の公開が2019年9月。

 

中国語ですが予告編をどうぞ。世界観やキャラクター造形の素晴らしさが伝わると思います。


《羅小黑戰記》電影版 定檔預告-9月12日不見不散 THE LEGEND OF HEI

 
内容としては、「令和妖精合戦ドンドコ」という感じですが、魅力的なキャラクター、美しい映像、迫力あるアクションシーンなど、非常に良い映画でした。
映画にビシバシ出てくる中華要素(キャラ造形、衣服、食べ物、お茶、建物、etcetc...)をとても楽しむことができました。「中国人が作っているアニメだから、おそらく本物で、インチキではないだろう」という偏見です(笑)
私がハリウッド映画で中国と日本が混同され、単なる西洋人のオリエンタリズムとして消費されるのにいかにブチ切れているか!(というか、攻殻機動隊のハリウッド版がありとあらゆる意味で酷かった。特に元ネタにされた押井版、神山版SACシリーズへの侮辱が酷く、怒りのあまり途中で席を立つべきか考えたほど)
例えばお茶と中華菓子が出てくるシーンとか「あ〜〜〜いいですね〜〜〜」ってなるし(中国人はお茶でも乾杯するのだろうか?)、スマホで電子決済可能な場面など出てきて、あ〜中国っぽいと思いました。
中国に行くと、あまりの電子マネー(主に微信)の普及っぷりに驚きます。日本でも最近PayPayなどが導入されていますが、そんなもんじゃないというか、超超超ローカルな市場で、日本だったら絶対現金以外受け付けてないだろここっていう個人商店でも、QRコードダンボールの板とかにバーンとでっかく貼り付けられていたりして、それを読み込んで払う形なんですよね。釣り銭の用意が要らないから便利なのかな。一回カフェで「あっあなたのiPhoneWechatアプリ入ってるじゃん!電子決済で払ってよ!」と店員に言われた時は、「すみません、クレジットカードと連動させていないので…」と謝った記憶があります。
そういう意味でのリアルな「中国っぽさ」も感じました。
日本版オフィシャルサイト↓
兵庫県あたりに来ていて、そのうち東京でもやるみたいなので気になった方はぜひ観てみてください♪
あっ中国語は早すぎてあんまり聞き取れませんでした。聞き取れた部分も字幕が直訳とは違っていたので、スピードというよりは自然な表現を知っているかどうかが問題なのかも。