10:44 AM

日々

挫折とか苦労とか

「お前は挫折の味を知らないから、わからない」

「結婚して子供を持って一人前」

そんな言葉を聞いたことはないだろうか?

 

私は「挫折」とか「苦労」とかは「人に優しくなれるチャンス」だと思っている。

もしくは、「視野を広げるチャンス」「成長できるチャンス」とも。

あくまでチャンスだから、それを活かせるかは別問題だし、活かせなくても責められることではない。

そして、そのチャンスが訪れない人を貶めるのも、意味のない行為だ。

 

例えば、私だったら

・高校時代から(多分)精神疾患を発症、希死念慮とは長い付き合い

・大学時代も無気力、病気にも苛まれ、完全に黒歴史

・会社に入っても症状悪化で休職、自動退職の危機(なう)

あたりが「挫折」と自己認識している。

などと書くと「お前は家族にも恵まれ、志望大学に現役合格して、就職活動も上手くいったじゃないか。精神疾患で休職と言ったって、その制度が整っている会社にいてラッキーじゃないか。結婚して夫という稼ぎ手もいて(以下略」という人も出てくると思うが、別に私はここで不幸自慢合戦をしたい訳ではない。

もしかしたら「死にたい気持ちを持っている人の気持ちが少しはわかる(かもしれない)」「無気力で辛い大学生の気持ちが少しはわかる(かもしれない)」「精神疾患で休職している人の不安や辛さが少しはわかる(かもしれない)」。そしてそういう人達の助けになれる、かもしれない。【かもしれない】というのは、体験は結局人によってそれぞれだし、精神疾患の症状についても人それぞれだからだ。

 

「結婚して子供を持って成長できた」と言う人はあくまで「自己の経験からの感想」を述べているだけで、→「だからそうでない人は未熟だ」と一般論まで持ち込むのは、飛躍しすぎだと思う。(そう言う人は、そもそも毒親の存在を知らない)

確かに子供を持って初めて見える景色もあるだろう。成長できたと実感できることもあるだろう。

しかし子供を持っていない人も、子供のいる人には見えない景色を見ている。もしかしたら子供を持っている人より、元から成熟しているかもしれない。

 

子供を持つことは「視野を広げるチャンス」、「成長へのチャンス」だし、「同じく子供のいる人に優しくなれるチャンス」だ。

繰り返すけど、あくまでチャンスだから、それを活かさなければ駄目な訳ではないし、そのチャンスが来ない人を貶めることもない。

 

…という考えがふと頭に浮かんだので、書いてみました。

 

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これはついでなのですけれども、「ノーブレスオブリージュ」という言葉がある。日本語訳は「高貴なる者の義務」。恵まれた者に対し、そうでない者への無私の行動を促す言葉だ。

例えば、アメリカの大富豪がチャリティーに力を入れまくる感じ。まあ、実際に行動に移さなくても、恵まれた人間、特にエリートには、その自覚が必要で、そうでない人への目線は必要だと思う。

「上に書いたことと違うじゃないか」と言われてしまうかもしれないけど、他者への想像力はできるだけ持っていた方が良いと思う。「義務」までも行かず「推奨」で。恵まれた人間がその自覚が無いと、「こんなの当たり前でしょ」と、ひどいと人を精神的にぶん殴るような発言・行動をしてしまうので、自戒を込めて、書いておきます。