がぶわーっと吹いた。
夫とインド料理屋でご飯を食べた。豆のスープに、サラダ、チキンティッカ、タンドリーチキン、ほうれん草とカッテージチーズのカレー、ナスのカレー、里芋のカレー、ガーリックナン、プレーンナン、ライス、最後はホットチャイ。
この度、親族がインドに赴任することになった。私はインドに2回行ったことがある。夫は3回。
インド料理屋で美味しい料理を食べ、店内のテレビで流れているインド音楽のPV(素晴らしい自然やエモーショナルなダンス!)を見ていたら、インドからの風がぶわっと自分の中を吹き抜けていった。
インドに「そろそろまたおいで」と呼ばれた気がした。「地球の歩き方」'12〜'13年版のあとがきにも書いてあったけど、本当にインドはそういう国だ。一回行ってみて、日本に戻ってしばらくすると、「帰っておいで」と呼ばれる。それでまた行く。その繰り返し。不思議な国。
親族の赴任地は西インド。西の方といえば、行ってみたいところが山ほどある。家に帰って、早速「地球の歩き方」インド編を開いてみた。
ムンバイ近くの、エレファンタ島の遺跡。
グジャラート州、アフマダーバードにあるダーダー・ハリ階段井戸。井戸といっても、小さい丸い石垣の中にバケツを下ろして行くようなものではない、大建築のものだ。スィディ・サイヤド・モスクの美しい線条細工の窓。アダーラジの階段井戸。これも素晴らしいと聞いている。
そこからさらに7時間電車に乗って行く、ジュナーガルの街。鬱蒼とした木の生い茂る中にそびえるウパルコート砦。ジャイナ教の聖地のギルナール山。そこにある9999段の階段。オレンジピンクに塗られた石に目だけが描かれたシヴァ神。
そしてすぐにパソコンを開き、航空券を検索。想定よりずっと安い便が見つかった。
インド旅行はものすごく楽しかった記憶ばかりだ。常識を突き破る自然や遺産の数々。これがビジネスだとそう簡単にはいかないだろうけど、観光客として行くのはとても楽しかった。
インドは治安が悪いと言われるけど(レイプ事件などは怖くてたまらない)、私達は幸運なことに犯罪に合ったことがない。リスクを回避するようにした部分もあるし(よくある犯罪のパターンは頭に叩き込んで行く、インド経験者と一緒に行く、男性も含めた6人の大人数で行く、日本語が通じる現地旅行会社の活用、セキュリティが怪しいホテルではホテルの人に鍵を開けられ盗難に遭う場合があるのでさらに南京錠をかけるなど)、たまたま選んだ行き先が治安の良い場所であったこともある。
でも、一度でもインドに行ってみるとわかるのだ。「この国、広すぎじゃないか?一言で表すのは無理だろ!」と。
日本人観光客が行く北インドのデリー、アーグラ、ジャイプルなど(「黄金の三角形」と呼ばれている)は特に悪い人が多いと聞く。しかし、そこから離れた西インドのエローラやアジャンターなどはとても安全な印象を受けた。流れている空気が違うのである。ヒマラヤの方のラダック地方も、平和な片田舎という感じだった。
インドはEUから3ヶ国ぐらい抜いたぐらいの大きさ。自然も歴史も民族も文化も治安も、一言では語れないのである。だから何度でも行きたくなるのだ。
そんなこんなで急激にインド欲が高まってきたので、「遊びに行っていいですか⁈特にエレファンタ島とアフマダーバードとジュナーガル行きたいんですけど一緒にどうですか⁈」と親族にLINEを送ろうとしたら、夫に「赴任が決まったばかりの今にそんな情熱的なメッセージを突然送られても引かれるだけだからやめとけ」と止められた。相手はインドに行ったことがなく、そんな熱量を当てられても戸惑うだけだから、と。相手にもインドに興味を持ってもらって、そこでの生活を最大に楽しんでもらおうと思ったのになあ。でも確かにどん引かれる可能性はあるので、もう少しタイミングを見て送ろうと思います。
いくら行きたいと言っても、健康でないとしんどいので早く病気から回復しないと。あとはお金。なんとか貯めないとなあ〜。でも親族が現地にいるというのはまたとないチャンスなので、できれば活かしたいと思っています。
とりあえず明日の朝はチャイを入れよう。