猛暑の夏。大量のかき氷を食べるため、「どこでもドア」で訪れた氷山で、のび太は謎の腕輪を見つける。その氷山は長い時間をかけ南極から流れて来たもので、のび太と仲間たちはその腕輪を落とし主に返すため南極へと旅立つ。そこで、氷の下に古代都市の遺跡があるのを見つける…というストーリー。
大人になってからはドラえもんの映画を観たことがなかったのですが、Twitterで「今回のドラえもんは映画クラスタにオススメ。『ワンダと巨像』感半端ない」と聞いて観に行きました。「ワンダと巨像」は古えの大地や古代遺跡っぽいところを周りながら古代遺跡っぽい巨像を倒していくゲームなのですが、私はその世界観が大好きなのです。
こんなイメージ↓
はい。古代文明、古代遺跡モノ大好きです。
街並みが残っているのを探索していく話が大好きです。
古代の人が作った「人ならざるモノ」が動くのを見るのも大好きです。
感想としては…「ナウシカの漫画を全巻読んだ後に、あらためて映画を観て抱く感慨のような感じ」。
意味がわからないので説明します。ナウシカは漫画が全7巻あって、その中で腐海がなぜ作られたかとか、巨神兵のこととか、クシャナ殿下の過去とか、ナウシカたちが何故「作られた」のか、など本当に色々書かれていて、世界観が広大で、ストーリーも壮大であることこの上ないんです。スケールが半端なくデカい。でも、映画では2巻までの内容しか語られていない。しかも巨神兵溶けるし!漫画的には溶けちゃダメなんですよ!(笑)
要するに、「もっと深いストーリーがあって、広大な世界が広がっているのに、一部を取り出して2時間に収めるなんてもったいなさすぎる」という感じです。
今回のドラえもんの映画でも、古代都市の世界観は作りこまれています。背景も壮大。しかし、尺の都合で話がとてもコンパクトにまとまっており、登場人物が探検するのはそのほんの一部。
古代都市スキーとしては、こちらにあんなレリーフが…こちらには水道も…とか、せっかく作った世界観なので探索のシーンがもっと欲しいと、もう本当に趣味が偏っているのは自覚しているんですけど、思ってしまいました。っていうか私自身が探検したいだけかも(笑)
いやー、これ、こんなにスケールが大きいなら2部作ぐらいにもできるんじゃないだろうか。それか、何冊もある漫画を出すとか(笑)メインの客層が子どもなので、無理ではあると思うんですけど…
何故古代都市が作られたのか?何故滅んでしまったのか?そこにいた人々はどこに行ってしまったのか?文明の臨界点とは??
2時間の映画の中で事件は解決しハッピーエンドになる訳ですが、その背後にはきっと深い深いストーリーがある。そのお話をもっと聞きたい。誠に勝手ながらそんな風に思いました。
しかしのび太は本当にいいやつだなあ。私だったらあんな状況であんなこと言えないよ。大人になった今になって、もう本当に今更なんですが、感動しました。