10:44 AM

日々

中国映画「北京ヴァイオリン」

北京ヴァイオリン」という映画を観た。ものすごく簡単なあらすじを言うと、「ヴァイオリンが上手い少年が、田舎から父親と共に北京に出てきて頑張る話」だ。

 

すさまじい偏見であることを承知で言うが、中国映画はとても情が深いものが多い気がしている。とはいっても、中国映画を観るのはこれが5作目で、他には「海洋天堂」と「胡同の理髪師」と、「小さな村の小さなダンサー」と、チャン・ツィイーが出てくる「LOVERS」だけなのだけれど。「LOVERS」はワイヤーアクションが見物の映画なので例外として、「海洋天堂」はガンを宣告された父親が、長く勤める水族館の仕事の合間を縫って、自分亡き後に息子を預かってくれる施設探しに奔走する物語だ。いかにして障害者が自立できるか。とにかく人々の情の深さが心に沁みる。とても良い映画で、アクション俳優のジェット・リーがノーギャラでやることを熱望した(アクション映画ではなく、ドラマものです)。

胡同の理髪師」は北京の下町を舞台にした人情物語。93歳の理髪師のおじいさんが、北京五輪で急激に街が変わっていく中で、人々とともに日常を送る。五輪に向けた再開発の中で、古い町並みがどんどん壊されていったのがよくわかる。

「小さな村の小さなダンサー」も、毛沢東文化政策による英才教育でバレエの道を志した田舎出身の少年が都会に出て、さらにアメリカに渡り、その類い稀な才能を認められる物語。しかし、彼はアメリカでの生活と、中国の文化政策との間の大きな溝に苦悩する。この映画も人々の情が印象深い。

(サンプル数5かよ!!!)

 

北京ヴァイオリン」は2002年の映画。北京五輪は2008年だ。街が激変する前の物語だろうか。古い町並みが多く出てくるのが印象的。「古き良き時代」という感じなのだろうか、と勝手に推測してしまった。

 

もしかしたら、日本に入ってくる中国映画がそういうものばかり選ばれているのかもしれない。

中国映画好きの人や、中国人の人は「そんなことはないよ、もっと中国映画は多様だよ」とおっしゃるかもしれない。日本にも、海外に輸出されている以外でも色んな映画があるしね。黒澤映画とか、ゴジラシリーズとか、「君の名は。」とかだけではなくて。

 

ひどい偏見と勝手な推測であるのはわかっているので、それを確かめるためにも、もっと中国映画を観たいと思う。ドラマものを好んで観ているのでさらにバイアスがかかっているのもわかってはいるが(この時点でもうダメ…)。

 

中国のことをもっと知りたい。

中国には様々な民族が住んでいて、文化も多様で、普通話(北京語をベースにした共通語)以外にも多くの言語が話されている。ものすごい多様性の国なので、どんなに映画を観ても、そのほんの一面しか知ることはできないのだけれど。

それでも、観てみたいと思う。

 

映画は自分にとって世界への窓になっているなあ。ちなみに、私の中国人の友人は情が深いかどうかはよくわかりませんが、みなユーモアのセンスが抜群でジョークを飛ばしまくり超絶面白い人ばかりです。