10:44 AM

日々

想像力

ラブホの上野さんが書いていたことに対して色々思ったのでメモ。

 

 http://ueno.link/2017/03/15/ラブホスタッフに憧れる皆様へ/

 

【要約】

ラブホで働きたいという女子学生への返答。「職業に貴賎はない」とは言うけど、世の中には綺麗事では済まない、明確な上下と言うのが存在する。

賃金が低かったり、社会的立場が低いとされる人は、望んでそうなった訳ではない人が多い。社会的立場が高いとされる人から「職業に貴賎なし」「人間はみな平等」と言われても殺意に似た感情を抱く。

ラブホ業界で働く人も、望んでこの業界に入ってきた人ばかりではない。日の当たらないこの業界にわざわざ来ることはない。ここに来るのは最後でいいよ。それからでも遅くはないよ。

 

というお話でした。

 

「職業に貴賎なし」

「人間はみな平等」

これらの言葉自体は、真理だと思います。

ただ、それを口にする時は、相手との関係、シチュエーションなどを相当選ぶと思います。

 

私は病気(障害)を抱え、今働いていない(働けない)状況にあることもあり、働く全ての人を尊敬しています。

でもその一方で、自分が恵まれている部分も多々あるとわかっています。

大学に行かせてもらい、企業に就職もでき、正社員で、休職という制度も利用でき、夫も働いていることで明日のご飯を心配することもない。精神(疾患)障害を抱えながらも、身体的には健康。

 

もちろん、自分より恵まれている人がたくさんいることも知っています。お金持ちの家に生まれた人。首都圏や学力の高い都道府県に生まれ、小さい頃から塾に通うことができ(それはそれで辛い人もいるでしょうが)、名門校に入ることができ、大学受験において有利な人。(余談ですが、私の生まれ育った新潟県は学力が低いと言われているようです)

そして、何よりも、精神的に健康な人。働けている人。この病気(障害)がなければ、と思ったことは数知れません。

 

(ああ、でも確かに働けていない今の状況だと「職業に貴賎なし」と言われてもピンと来ないなあ。色んな理由で働けない人もたくさんいるんだよ!って言いたくなるかも(笑))

 

しかし、恵まれている部分があるからといって、何も楽しいことをしてはいけない、何も発言してはいけないということでは決してないと思います。

 

恵まれていることは悪いことでも何でもない。

でも、自覚は必要。大事なのは想像力。

よく、「政治家は金持ちの家の生まれだから貧しい人の気持ちなんてわからない」という人がいます。でも想像力を働かせて、貧困対策を考えなければならない。「お前にはわからないだろ」と言われるからといって、政策立案の手を止めてはならない。

話がちょっと脇道に逸れるけど、子どもがいない女性議員が少子化対策(子育て支援だったかしら。うろ覚え)について発言した時、「まずはお前が子どもを産め」というヤジが飛んで問題になったことがあるけど、根っこは同じだと思う。子どもがいない人が少子化対策について話すのは「恵まれている立場の人が困っている人について発言する」のとはちょっと違うけど。でも「子育てでしんどい思いをしていない」っていう部分はあるかなあ。逆に「子どもに恵まれない」人なのかもしれないし、そこは何とも言えない。でもそんなのどうだっていいんだ。想像力があれば。

 

本当に大事なのは、自分と異なる立場にいる人たちへの想像力だと思うんです。「自分の立場にいるのが当たり前」という顔をしてはならない。相手の立場を考えて発言することが重要。場合によっては、ノーブレス・オブリージュを考えることも。

高校の頃から考えていたことではありますが、ラブホの上野さんの記事を読んで、改めてつらつらと考えました。

こちらからは以上です。