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日々

アリーテ姫

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アリーテ姫」を観てきた。

(写真のポスターの後ろにドラえもんが透けている…)

片渕須直監督初の劇場用長編アニメ。音楽は千住明

片渕監督の作品を観るのは、「マイマイ新子と千年の魔法」「この世界の片隅に」に続いて3作目。

 

中世のとある城塞都市で、アリーテ姫は城の高い塔に閉じ込められ、婿となる男性が現れるまでその身を清く守ることが求められていた。しかし姫は秘密の抜け穴から城を抜け出し、しばしば街へ飛び出していた…というのが初めの部分で、そこから物語は動いていく。

 

作品の雰囲気(人物の造形や動き、色彩など)はマイマイ新子に近いかもしれない。 

 

「人の手はすごい」「私たちはみな、人の手によって作られたものに囲まれて生きている」「自分にも何かできるだろうか?」「みんながそれぞれの人生の主人公」「みんなは自分が何者か知っているように見える。しかし私は何者なのだろうか?」という姫の気持ち、問いが今の自分と重なる部分もあって、そうそう、そうなんだよね…本当にどうしたらいいのかなあ…と思いながら観ていた。物語は、姫自身がその答えを示していくような展開になっている。

 

「爽快!痛快!」というタイプの映画ではないし、テンポもわりとゆっくりなんだけど、人々の生活の尊さや、姫の持つ問いが力強く伝わってくるような作品だった。 

お前は何者なのか、と。

 

高山みなみの演技が良かったなあ。魔女の宅急便ウルスラ的立ち位置の役。有名な声優さんで、よく声を耳にするというのもあるけれど、聞いているだけで安心感が胸に広がっていくような演技だった。主役の桑島法子の声も印象的で耳に残る。

音楽も良かった。途中の挿入歌が美しくて、映画の世界観をぐわっと広げるような音楽で、エンドロールを見ていたらなんとオリガだった。もう亡くなっている、美しい声の人。(知らない人はぜひ攻殻機動隊のSACや2nd GIGやSSSの主題歌をどれでもいいので聞いてみてください。一発で惚れます)

そんなこんなで作品世界からまだ戻れずにいます。もう少し浸ります。