10:44 AM

日々

角田光代の旅エッセイ2冊

角田光代の旅エッセイを2冊読んだ。

幾千の夜、昨日の月

幾千の夜、昨日の月

 

 

降り積もる光の粒

降り積もる光の粒

 

特に旅好きには、たまらない。静かで美しい文体で、数多の旅が語られる。

すでに本を図書館に返してしまったので正確な引用はできないけれど、「旅の体験は自分のうちに光の粒が降り積もるようなものだ」というような言葉があり、そうそう!そういう感覚!と激しく同意。

素晴らしいエッセイは、今まで自分の中ではモヤモヤとして言葉にできなかったことを言葉にしてくれる。

そんな時、私は目の前がぱっと開けたような気持ちになり、プロの書き手の力というものを感じる。

 

旅ブログが溢れている時代。旅行はメジャーなものとなり、世界一周旅行ですら珍しくなくなり、作家がただ単にどこを旅したという旅行記を書いてもあまり魅力がない時代になった。だって、インターネットで面白い旅ブログを読んでいるほうが写真も豊富だし、リアルで、その土地の空気、その土地の「今」、そして旅人が全身全霊で感じたことが伝わってくるから。そして読み手を旅へといざなってくれる。

しかし、角田光代のエッセイは違った。

この人は、すさまじい書き手だ。

 

これらの2冊を読み終わった後、私はすぐに図書館で角田さんの別のエッセイを借りた。小説は全く読んだことがないので、エッセイを読み終わったらトライしてみようかな。