10:44 AM

日々

多幸感

先日、ベルギービールの店に行った。目当ての店が満席で、どこか入れるところがないかと近辺をうろついていたらその店はあった。店員さんが表へ出てきて「今ならご案内できますが、当店はビールしか置いていないですがよろしいですか」と聞いてきた(ソフトドリンクはある)。その潔さ、ストイックさに惹かれ入ってみることにした。

私は苦味の全くない白くてフルーティーなビールを、夫は少し強めのパンチのあるものを頼む。豚バラ肉のスモークや本日のガーリックオイル煮などを頼むがどれも美味しい。ビールとの組み合わせが素晴らしいもののオンパレード。〆のパスタも良かった。

中でも、フリテンというベルギーのフライドポテトが殺人的に美味しかった。温度を変えて二度揚げしたポテトにマヨネーズソースをかけて食べる。カロリーの高さに対する罪悪感がたまらない。

 

美味しい料理とお酒を楽しんでいる時、私は多幸感に包まれる時がある。ただ、いつそれがやってくるのかはわからない。

「生まれてきて良かった!」「人生万歳!」とか言ってしまう。日本酒に和食なら「日本人に生まれて良かった!」とか言う。にこにこ。ちょっと変な客であるような気もするが気にしない。

たいていそれは夫とお酒を飲んでいる時にやってくるのだが、いつもではないので、どういう条件が揃えばそうなるのかはわからない。

ただ、学生時代にはそんな多幸感を味わったことなんてなかったので、こんなことがあるなんて!と驚いている。大人になるのもいいものだなと思う。

月曜日のチャイ

月曜日の朝、チャイを淹れた。インド料理屋さんのあの美味しいチャイができなくていつももやもやするんだけど、今回は少し近づけたかもしれない。お茶の煮出し具合、牛乳の量、牛乳を入れてからの加熱具合、スパイスの量で決まると思うんだけどな。ちなみに今回はシナモンとカルダモンとジンジャーを入れた。ばっちり。カルダモンを多めにするとそれっぽくなることを学んだ。

 

チャイ、紅茶、コーヒー。朝に温かい飲み物を飲むと、それだけでその日が良い日であるような気がしてくる。

TED

英語のリスニング能力向上&語彙力強化のためよく夫と一緒にTEDを見ています。ちなみにTEDはアメリカその他で行われているプレゼンテーションの祭典のことです。新しい知見をシェアする場です。
その動画の多くが、ネットで無料で見られます。

 

やり方としては

・英語字幕ありのもの
→字幕見つつ一度通して見て、2回目は細切れに止めつつ(だいたい字幕一行ずつ)見て発音と文字のリンクやわからない文法&単語の意味をチェックする

・日本語字幕つきのしかないもの
→一度目は字幕を見つつ通して見て、2回目はネットに上がっている英語のスクリプト(原稿)を読みながら聞く。スクリプトから自分たちが汲み取れる意味と、プロの翻訳家が訳した字幕を比べながら読解力をチェック。わからない文法&単語をチェック。

という感じで進めています。夫婦でiPhone2台持っているのと、iPhoneをテレビに繋げるケーブルを持っているからこそ可能になる勉強法ではあるのですが。

毎回2周聞くことになるので、だいたい10分以下のプレゼンを選んで見ています。15分とか20分のプレゼンも多いのですがそれだと夫婦共々死にます。

 

そんなこんなで、私達が見つけたTEDの中でも笑えるものをご紹介します。だいたい10分以下です。

www.ted.com

 

 

イラン系アメリカ人あるあるネタ。中東に対する風当たりが厳しくなっている今こそ、見るべき動画かもしれません。

 

 

 

 

www.ted.com

 

 

これまでのTEDのプレゼンを統計にかけて、「面白い」プレゼンをリバース・エンジニアすることはできるか?

 

 

 

www.ted.com

 

 

私が一番好きなプレゼンです。巨大素数に関する話。話の面白さもさることながら、こんな世界が広がっているのか!とわくわくします。

 

本当に英語力向上に繋がっているかはわからないのですが、何より新しい知見に触れられるのと、楽しく簡潔で明快な質の良いプレゼンテーションに触れられるのは結構楽しい体験です。

もう少し続けてみたいと思います。

映画「虐殺器官」2回目

映画「虐殺器官」2回目を観てきた。1回目を観てから、原作を復習し、パンフレットを読んで2回目に挑んだ。結論から言うと、1回目よりものすごく楽しめた。以下、思ったことをつらつらと。ネタバレ有り。

 

 

2回目を観られる方は、ぜひパンフレットを読んでから観るのをお勧めする。劇中に出てくる装備や装置、テクノロジーに関する説明がたくさんなされているからだ。例えば、あの目薬は何なのか、どうして点眼の際に白いものを目の周りに塗っているのか、インドで人を捕まえた時に首に貼られるあのシールは何なのか。より深く作品を楽しめる。

 

SF的な装備や装置、テクノロジーが目に見える形で提示されるのはまさしく映像化の醍醐味だ。特にフライング・シーウィード最高。イントルード・ポッド最高。フライング・シーウィードは原作を読んだ時に形を上手くイメージできなかったので、最初に出てきた時は感動した。まさしく空飛ぶ海苔である。

 

スタッフのインタビューもとても面白い。映画の受け止め方が変わる。1回目はストーリーを追うだけで精一杯だったのが、2回目は様々なことに注意して観られるようになる。音楽、CG、声優さんの演技。特に村瀬監督のインタビューは衝撃的で、映画を見る目が180度変わった。

 

ジョン・ポール役の櫻井孝宏のインタビューに、PSYCHO-PASS槙島聖護(これもCV櫻井孝宏)の名前が出てくる。最初にジョン・ポールの声を聞いた時には「槙島ァァア!」と思わず茜ちゃんの声で叫びたくなったが、2人のキャラクターには共通する部分があるのだろうか。

 

1回目を観た後、ネットで様々な人の感想を読んでから2回目に挑んだ。それでしっくり来た改変部分もあるし、やはりしっくり来ない部分もある。

しっくり来たのは、アメリカを混沌の渦に陥れるのがルツィアとの約束を果たすことになるという部分。「自分達がどんな犠牲の元に立っているか知る必要がある」。しかしジョン・ポールをアメリカに連れて帰り、裁判にかけようにもきっとその前に殺されてしまうだろう。だから、アメリカ国民を虐殺の渦に巻き込むことで、身を以て実感してもらうのだ。それをジョンもクラヴィスに提案したのではないだろうか。

何故クラヴィスがジョン・ポールを殺したのかは未だにしっくり来ない。原作では、クラヴィスがジョン・ポールをアメリカに連れ戻そうとするが、途中で別の人間に射殺されてしまう。しかし映画ではクラヴィスがジョンを殺したことになっている。祖国に帰っても殺されるなら、今自分の手で殺すのが良いと思ったのか。それともジョン自身がそれを望んだのか。まだ理解できていない。

 

「神のご加護を」という台詞、大好きです。

 

エピソードのラストシーンが削られていることについては、最初は寂しくもあった。原作ではそこが大どんでん返しの部分であり、凄まじい展開であり、あまりの衝撃に読者はそれでめろめろになってしまう。私にとっても特に思い入れの深いシーンだ。震えて震えて、作品世界から戻って来られなくなり、しばらく他の本が手につかなくなってしまった。そのどんでん返しの色が映画ではだいぶ薄まっている。しかし、今はあの終わり方もアリだと思っている。自宅でピザを食べているシーンに映像としての派手さがあるかというのもあるが、あのようにスパッと終わるのも気持ちが良いものだなと。

 

何が言いたいかと言うと、本当にこの映画は素晴らしいと言うこと。制作自体の苦労もさることながら、制作会社の倒産、そこから新しいスタジオの立ち上げなど、想像を絶する困難があったことだと思う。最大級の賛辞と拍手を送りたい。

そしてさらに原作を楽しめるようになった。本当に最高の映画なので、皆さんぜひ観に行ってみてください。しかしR-15は伊達じゃない。かなり残虐なシーンがあるので、正直キツい部分もありました。地上波では放送できない内容だと思いますので、ご興味のある方はぜひ映画館へ!

刹那的に生きる

最近、映画を観るのにハマっている。

年始から観たものだけでも、

ファンタスティックビーストと魔法使いの旅。沈黙。虐殺器官マイマイ新子と千年の魔法この世界の片隅に(2回目)。人生フルーツ。ユーリー・ノルシュテイン監督特集上映「アニメーションの神様、その美しき世界」。ザ・コンサルタント

結構ある。

そろそろマグニフィセント・セブンも観たい。

 

レディースデーなど、安い日を狙ってはいるが、それでもお金はかかる。ちなみに、私は女性だけが恩恵に預かれるのはアンフェアだと思っていて、メンズデーを設けるか、男女問わず安くなる日があってもいいと思う。経営上難しいのだろうか。

レディースデーは火曜日のところと水曜日のところがある。そして毎月一日の映画の日。そこを狙う。

そして映画館の会員特典。火曜日は400〜500円安くなるとか。元が取れるか、入会金とにらめっこ。

 

休職中で、復職に向けて定時内はできるだけ外にいたい私にとって、映画はぴったりなのだ。

そして「映画館で観られるのは今しかない」という思いが私を突き動かす。私は部屋でDVDなどで映画を観るのが苦手だ。暗い空間で、大きなスクリーンで、大きな音で、「さあ作品世界に入り込め!」という状況でないと見られない。人生の半分ぐらい損しているかもしれない。

 

3月には「ひるね姫」が、4月には「攻殻機動隊」のハリウッド版が公開されるし、5月には「メッセージ」も来る。まだまだ観なければならないものはたくさんある。

 

本も同様だ。Twitterで面白いと書かれているものが欲しくなってしまう。それらはほとんど新刊だ。しかも、図書館には入らないタイプのものが多い。必然的に、自分で買うことになってしまう。

本には賞味期限は無いが、「自分にとっての旬」はある。その時に読むのがぴったりな本。

とはいえ、お金も無限にある訳ではないので、もっと図書館を有効活用せねば。

 

 

 

もしかしたら私は自分が思うよりずっと、刹那的な人間なのかもしれない。

 

【追記】

マグニフィセント・セブンも観ました。謎のナイフ使い役のイ・ビョンホンがひたすらカッコよかった…(清々しい目で

スニーカー(gravis TARMAC SUEDE STYLE:11001)

新しいスニーカーを買った。

gravisのTARMAC SUEDE STYLE:11001。

ロゴマークのところが可愛い。

 f:id:Elaineintherain:20170219122542j:image

今履いているスニーカーもくたびれているし、いざという時のための予備に持っているスニーカーは表面が破れてボロボロになっているし(まさしく「履き潰した」という感じである)、新しいものが欲しいなと思っていた。

もともと私はニューバランスのファンである。履き心地が抜群で、たくさん歩ける。ということで、ABCマートニューバランスのコーナーを見ていたら、価格にくらくらした。まあわかっていたことだけど。スニーカーはブランドに関わらず結構高い。ニューバランスは一万円を超えるものが多かった。モデルによってはニ万円を超えてくる。

どれがいいのかさっぱりわからなくて、店員さんを呼んで、予算一万円程度で歩きやすい靴はないかと聞いた。ニューバランスのコーナーを見ていたのに、店員さんは「とても履きやすいものならお勧めがありますよ」と私をgravisのコーナーに連れて行った。初めて知るブランド。見た目より軽いんですよ、インソールがしっかりしているんです。私も何故か、新しいものを試してもいいかなと思った。店員さんに勧められるがままに試着する。ぴったりくるサイズを探し、グレーとネイビー、どちらの色がいいか考える。どちらがいいと思うか店員さんに聞いたら、「もしジーンズが多いならグレーがお勧めです。ネイビーだと同系色になってしまうので。」と言われる。

値段はぽっきり一万円。消費税を入れて一万八百円也。「これください」と言ってグレーのものをレジに持っていく。ありがとうございます、と店員さんが言う。

 

あまりに勧められるがままにサクッと買うので、買い物に付き合ってくれた夫がびっくりしていた。「履き慣れていたブランドを簡単に変えるなんて!」。私もびっくりだ。

これでいいのか、自分。

これでいいのだ、自分。 

 

しかし靴屋の店員さんはすごいなあ。特にABCマートの店員さんなんて、ありとあらゆるブランドの商品知識が必要な訳で、それが全部頭に入っているのがすごい。尊敬の念しかない。

 

この靴を履いてたくさん歩こう。

春はすぐそこ。

「この世界の片隅に」2回目

この世界の片隅に」2回目を見てきた。

以下、微妙にネタバレ含む。

 

1回目は何の予備知識もなく見て、2回目は原作の漫画を読んでから見た。また違った味わいで、1回目よりもずっと面白かった。どこが違うのかとか、それでも原作のエピソードの片鱗がとても自然な形で残されていたりして、ひたすらすごいなと思いながら見ていた。

印象的なのがリンさんのエピソード。尺の都合でかなりカットされているが、「誰でも、この世界に居場所はそうそうなくなりゃせんのよ」(うろ覚え)という言葉は残されている。原作ではリンさんとの交流の中でしっかり出てくるが、映画だと一瞬だけ回顧シーンの中で出てくる。世界に居場所がないように思いがちな私には、この台詞は胸に刺さる。そしてエンドロールでクラウドファンディングに貢献した人の名前が流れる時のイラスト。1回目は正直理解できなかったのが(特に前半)、ああ…リンさんの一生だ…とわかる。また、原作の「秘密を知らない方が良いこともある」(リンさん)「秘密を知ってしまっても、これはこれで贅沢な気がするよ…」(すずさん)という場所(例によってうろ覚え)。原作で秘密とされている習作さんとリンさんの過去を知らない原作未読の人もこの映画を楽しめるし、原作を読んでいる人も楽しめることに重なっているな、と思えた。映画では出てこない台詞だし、原作者もそういうことを考えて書いたものではないと思うけど。

テルさんの名前も、一瞬だけ出てくる。原作のテルさんのエピソードはとても好きだ。これも、片鱗が見えてとても嬉しかった。たくさんの言葉が重なりあうシーンで出てくるので、気づく人だけ気づく。自然な形で忍ばされている。

 

ストーリーがわかっているので、1回目は登場人物の心情を追うだけで必死だったのが、2回目は背景に目がいく。この家、こんなに大きな本棚があるんだ、とか。演出にも目がいくため、より「映画の力」を感じられる。

 

前回は字幕なし、今回は字幕あり。字幕ありだと音楽が流れる時「♪」と左下に出てくる。おかげで、1回目の時はなんとなく聞き流してしまっていた音楽に耳を傾けることができた。

台詞もしみじみ味わえる。「お兄ちゃん」の表記が全部「鬼ィちゃん」になってるなとか。すずさん、すみちゃんだけが言っているならわかるのだが、親がいる場面でもそう。「隣保館」とか耳慣れない言葉が漢字があると理解できる。

 

この映画は特に戦争体験世代が見に行くように思うので、字幕があるのはとても良いなと思った。もう耳が遠い人もいるからだ。私の祖父も耳が遠いが、字幕なし版を見たらしい。祖父は洋画ばかり見に行く。字幕があるからだ。祖父の耳にも、できるだけ多くの音楽や台詞が届いていますように。

 

散漫な文章になってしまったが、本当に良い映画なのでまだ観ていない人には観に行って欲しいと思うし、原作未読で観た人には原作を読んで2度目を観て欲しいと思う。本当に。ぜひ映画館へ足を運んでみてください。